© WWF-US / Keith Arnold

好きだからこそ「ほどよい距離」を


冬から春にかけて、小笠原、沖縄、奄美の海に姿を見せるザトウクジラ。

数千キロに及ぶ旅をしてこの海域までやってくるのは、子どもを産み、育てるため。これは、1990年代初頭、WWFも協力して行なった調査で明らかになったことでもあります。

この時期は、ザトウクジラの母子にとって大切な時であると同時に、ホエールウォッチングの最盛期。クジラの雄大な姿をまのあたりにする感動は、かけがえのないものですが、気を付けないと、クジラたちを苦しめることにもなります。

先日、沖縄県の座間味島を拠点に活動する自然写真家ユニット「うみまーる」の高松飛鳥さんから、近年、沖縄や奄美で、オーバーユースなどによるクジラへの悪影響が出ていることを聞きました。

特に「ホエールスイム(素潜りによる海中からのクジラ観察)」は、母子クジラに大きなストレスを与えてしまうそうです。

高松さんが所属する「座間味村ホエールウォッチング協会」では、30年以上前から、クジラの行動を妨げないための自主ルールを作り、実行してきました。

昨年(2025年)11月には、渡嘉敷村ホエールウォッチング協会と同盟を結び、両村がある慶良間諸島海域ではホエールスイムを行なわないなどの項目を含む自主ルールを徹底し、村外の業者にもホエールスイムの自粛を呼びかけるなど、保全の強化に取り組まれています。

ホエールウォッチングは、地域の重要な産業のひとつでもあります。そうした中で、関係者と話し合いを重ね、クジラの保護と、地域の産業の両立を図っていくのは、想像以上に大変なことだと思います。

このブログを読んでいる皆さんも、クジラに会いに行くことを計画される際は、ぜひ、クジラの暮らしを妨げないよう、しっかり配慮したツアーを行なっている地域や業者を選んでいただけたら、と思います。

「クジラにやさしいホエールウォッチング」については「座間味村ホエールウォッチング協会」のウェブサイトをご参照ください。
https://zwwa.okinawa/our_mission/

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マーケティング室(会報担当)
佐久間 浩子

WWFではずっと「伝える」ことに携わってきました。今は会報を担当しています。

なにごとも決めつけてはいけない。知ったつもりになるな。複雑なものを、複雑なまま受け止める覚悟を持て。想像力を磨き、ヒトの尺度を超える努力をせよーー動物や植物に教えられたことを胸に、人と自然の問題に向き合い続けたいと思います。

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