© WWF-US / Keith Arnold

好きだからこそ「ほどよい距離」を


冬から春にかけて、小笠原や南西諸島の海に姿を見せるザトウクジラ。

数千キロに及ぶ旅をしてこの海域にやってくるのは、子どもを産み、育てるため。これは、1990年代初頭、WWFも協力して行った調査で明らかになったことでもあります。

この時期は、ザトウクジラの母子にとって大切な時であると同時に、ホエールウォッチングの最盛期。クジラの雄大な姿をまのあたりにする感動はかけがえのないものですが、気を付けないと、クジラたちを苦しめることにもなります。

先日、沖縄県の座間味島を拠点に活動する自然写真家ユニット「うみまーる」の髙松飛鳥さんから、オーバーユースなどによるクジラへの影響についてお話をうかがいました。

高松さんが所属する「座間味村ホエールウォッチング協会」では、1991年の設立当初から、WWFの繁殖海域の調査で訪れた研究者やハワイなどの先進地に学び、特に親子クジラへの影響が懸念される「ホエールスイム(海面遊泳を含めた海中でのクジラ観察)はしない」などの国際レベルの自主ルールを設定し、35年以上、守り続けてきました。

昨年(2025年)11月には、渡嘉敷村ホエールウォッチング協会と同盟を結び、両村共有の慶良間諸島海域ではホエールスイムを行わないなどの項目を含む自主ルールを徹底し、村外の業者にもホエールスイムの自粛を呼びかけるなど、保全の強化に取り組まれています。

ホエールウォッチングは、地域の重要な産業のひとつでもあります。そうした中で、関係者と話し合いを重ね、クジラの保護と、地域の産業の両立を図っていくのは、想像以上に大変なことだと思います。

このブログを読んでいる皆さんも、クジラに会いに行くことを計画される際は、ぜひ、クジラの暮らしを妨げないよう、しっかり配慮したツアーを行なっている協会や、その加盟業者を選んでいただけたら、と思います。

「クジラにやさしいホエールウォッチング」については「座間味村ホエールウォッチング協会」のウェブサイトをご参照ください。
https://zwwa.okinawa/our_mission/

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マーケティング室(会報担当)
佐久間 浩子

WWFではずっと「伝える」ことに携わってきました。今は会報を担当しています。

なにごとも決めつけてはいけない。知ったつもりになるな。複雑なものを、複雑なまま受け止める覚悟を持て。想像力を磨き、ヒトの尺度を超える努力をせよーー動物や植物に教えられたことを胸に、人と自然の問題に向き合い続けたいと思います。

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