おさかなハンドブック

消費者の視点で海の資源を考える

「おさかなハンドブック」

おさかなハンドブックの冊子

魚や貝は、海の生態系を構成するかけがえのない生きものであり、そして、私たち人間にとって、おいしい豊かさと必要な栄養を与えてくれる大切な水産資源です。その海や魚には、生態系の破壊や数の減少、絶滅の危惧など、危機的な状況がせまっています。

しかし、私たちの普段の生活で、海や魚に起きている、そのような状況を感じることはなかなか難しいかもしれません。スーパーやレストランにいけば、たくさんの魚があり、手頃な価格で売られているからです。
私たちが普段の生活で、海とつながっているところ、それは、海の恵みである魚や貝を消費するところです。海で起こっていること、それは遠い話のようで、私たちの消費とつながっています。

WWFは、海や魚に起きている現状を消費者に知ってもらい、資源や海の環境問題、消費の仕方を考えていただくための「おさかなハンドブック」を制作しました。ハンドブックでは、日本の消費者に身近な23種の魚種ごとに、資源状況や漁獲方法が環境に与える影響などのサステナビリティを評価。消費者が魚や貝を選ぶ際の参考になる情報をまとめています。

「海の恵み」に危機がせまる

2013年に生産された水産物の量は、およそ1億3,200万トン。1961年ごろの量と比べ、約5倍に増加しました(FAO統計データベース「FAOSTAT」. )。

『FAO世界漁業・養殖業白書』の2020年版によれば、人類が世界の海で漁獲し、消費しているさまざまな魚種のうち34.2%が「獲りすぎ」の状態にあり、この割合は、1970年代と比べて、3倍以上に増えています。(FAO. 2020. The State of World Fisheries and Aquaculture 2020. Sustainability in action. Rome.

これは、今はまだ当たり前に食卓で消費されているさまざまな魚や貝などが、すでに、あるいは今後、深刻な資源の枯渇の危機にさらされている可能性を警告するものです。

過剰な利用と環境の悪化

こうした問題の背景にあるのは、単なる「魚の獲りすぎ」だけではありません。漁獲や養殖の方法や、沿岸の自然破壊も、資源状況に大きな影響を及ぼします。

漁法については、同じ魚でも、用いる網やその方法によって影響が異なります。商品価値のない小さな魚まで獲ってしまったり、海底の環境を壊したり、海鳥やウミガメなど他の生物をも獲ってしまう「混獲」などの問題があります。

養殖についても、養殖場を作るために自然の環境を破壊したり、餌の食べ残しや排泄物が海を汚染すことがあります。また、養殖場で育てるため天然の稚魚を獲りすぎたり、餌の原料とするため大量の小魚を獲ることで、海の生態系にも影響を与えます。

消費者の視点から考える海の問題

海のサステナビリティをめぐる問題は、日常的に水産物を消費して成り立っている日々の生活や、食文化にも、影響を及ぼす問題です。 この問題を一般の消費者と考え、またアクションを促すために、WWFジャパンは「おさかなハンドブック」を制作しました。

ハンドブックでは、日本の消費者に身近な23種の水産物を紹介。魚や貝などの生態やトリビアから、「サステナビリティ」上の問題点、購入する時のヒントなどを解説しています。

サステナビリティは緑から赤までの5段階で分かりやすく表示。水産物の資源状況に加え、漁獲方法や養殖方法が環境に悪影響を及ぼしていないかなど、魚のサステナビリティを総合的に評価して示しました。

今回のハンドブックの発表を通じて、消費者が自らの消費するシーフードに対し関心を持ち、その選択がもたらす結果を考え、行動してもらうきっかけにしていただきたいと考えています。

「おさかなハンドブック」Q&A

「おさかなハンドブック」にある水産物はどのようにして選んだのですか?

水産庁・水産白書「年間一人あたりの魚介類品目別家計消費(数量が多い順)」(平成28年度)、大日本水産会「水産物を中心とした消費に関する調査(集団給食施設における魚食普及にむけた実態調査)」(平成22年)、WWF「IUU漁業リスク調査」における簡易アセスメント(日本の市場に流入している水産物の生産量と輸入量合計量の多い順)(2017年)の上位の魚種を参考にし、日本で消費者がよく食べる・消費している魚種を選びました。

WWFは日本以外にどんな国で、同様に、シーフードのサステナビリティ評価について、消費者向けに提示しているのですか?

シーフードガイドといったツールを用いての情報発信をドイツをはじめとする欧州各国、香港、インドネシア、シンガポールなど、複数の国で行っています。それぞれの国や地域で消費されている水産物の持続可能性について、共通の手法で評価し、消費者に提示しています。その手法は、WWFが他の団体(The Seafood Choices Alliance, North Sea Foundation and the Marine Conservation Society)と共同で開発したものです。

どのような基準でサステナビリティの評価を行っているのですか?

漁業と養殖のそれぞれについて、現在の資源状況だけでなく、資源管理のための体制や環境への影響などを総合的にみています。

漁業の場合は、絶滅の危機度、資源状況、資源の回復力、生態系や環境への影響、漁業管理体制があるかどうかやその実効性などについて、総合的に判断しています。

養殖の場合は、養殖場の立地に関する問題、動物虐待の規程の有無、給餌や薬剤、排水による環境影響、病害虫や逃げ出しによる野生化のリスク、エサ原料となる生物への影響などについて、総合的に評価しています。

どのような資料をもとに評価を行っているのですか?

既存の学術論文、水産試験場や研究機関が発表している資料や報告書を元に評価しています。また、科学論文以外にも、各漁業の管理主体が実施する措置の確認も参考資料として含まれています。

なお、評価は第三者によって実施されています。今回発行の「おさかなハンドブック」に掲載の評価は2020年6月末時点のデータに基づいています。

誤植のお詫び・訂正のお知らせ

おさかなハンドブックに誤植がございました。
深くお詫び申し上げますとともに、下記の通り訂正させていただきます。
なお、下記のPDF版については、本誤植箇所は訂正してございます。
P.23 メバチ 「標準的な大きさ」
【誤】180m 【正】180cm

配布について

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WWF『おさかなハンドブック』(PDF形式:18.5MB)

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タイトル:『おさかなハンドブック』
発行所:公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)
発行:2020年9月

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