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【動画紹介】田んぼならではの自然を知っていますか?

この記事のポイント
近年、日本で急激に失われている、水田・水路の豊かな自然。そこは、絶滅の危機にある淡水魚など、多くの野生生物のすみかでもあります。この保全に取り組むWWFのプロジェクトを紹介する動画が完成しました。動画は、地域の農業や行政にかかわる方々に向け作成したもので、田んぼの自然の大切さとともに、その保全には、子どもたちをはじめ、地域のかかわりが必要であることを伝えるものです。
目次

失われゆく水田・水路の自然

かつては日本の各地で見られた、水田の広がる里山・里地の風景。

しかし、過去の約50年間に、こうした水田やそれをめぐる水路は、コンクリートなどを使った近代的な改修がほどこされ、多くの水生生物が絶滅の危機に瀕するまでになりました。


このような危機が、地域の中でも気付かれないまま、進んでいる例も少なくありません。

そこで、WWFジャパンは「水田・水路の生物多様性と農業の共生プロジェクト」を展開。

特に多様性に富んだ水路と、国際的にも希少な魚類が多く分布する、九州北西部の水田地帯をデモサイトとして、この水田の生物多様性の保全に向けた取り組みを進めてきました。

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地元の自然の魅力を知る!「生きもの観察会」の開催

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水田という「農地」の自然を守るためには、そこでコメ作りに携わる人たちの、参加と協力が欠かせません。

コメ作りがという農業が無ければ、水田の環境はそもそも維持できないからです。

しかも、そのコメ作りを、生きものに配慮した形で、行なってもらう必要があります。

農業と生物多様性の保全、この両立こそが、水田の自然を守るカギなのです。

そこで、WWFジャパンでは取り組みの最初の一歩として、生物や工法の専門家を講師にお招きし、地域の皆さまに生きものの魅力をお伝えする「生きもの観察会」を実施しています。

この「生きもの観察会」には、地域の子どもたちが中心となって参加。

実施にあたっては、地域の農業者の方々はもちろん、地元自治体の農林水産や環境に関係する部局の皆さまにもご協力いただいてきました。

貴重な地元の自然、そしてコメ作りという農業の素晴らしさや大切さ。

体験を通じてこれらを学ぶことのできる「観察会」という環境教育の機会は、世代を超えて地域を一つにし、生物多様性の保全を進めてゆく、大きな力を発揮するものです。

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水田の自然と「生きもの観察会」の紹介動画を作成

WWFジャパンでは今回、競輪の補助を受けて、水田の保全を目指すプロジェクトの紹介と、そのために実施している「生きもの観察会」を紹介した動画を作成。

こうした取り組みを広く見ていただき、ご理解をいただくツールとして、公開いたしました。

特にWWFでは、各自治体で農業行政に携わるご担当者の方々、そして農業に従事される皆さまに、ぜひこの動画をご覧いただき、地域における「生きもの観察会」の実施をご検討いただきたいと考えています。

また、この動画の作成にあたっては、多くの皆さまに、多大なご協力をいただきました。この場をお借りして、心よりお礼申し上げます。

【参考情報】WWFの水田の「生きもの観察会」実施の流れ

WWFが特に九州北西部で実施してきた「生きもの観察会」の流れをご紹介します。

▼事前の準備と安全管理の徹底
・実施計画と荒天時の対応、役割分担の決定
・開催現場の下見、危険の有無の把握
・協力・後援いただく自治体、地元団体への打診、締約
・保険への加入、実施の許可を得るなどの手続き
・参加者の緊急連絡網の整備、近隣の病院の把握
・実施当日は、運営メンバーで、必ず事前に現場を確認
・水位・水流や施設破損の状況、危険性のある生きものが潜んでいそうな場所の確認と対策の決定

▼当日のプログラムの概要
・参加者の受付と適度な人数への班分け
・熱中症対策のアナウンスと参加者の体調把握
・危険生物対策、水難防止対策のお伝え
1. 開始。まず、WWFのスタッフが自己紹介。日本の水田地帯や九州北西部が持っている自然の魅力を簡単にお話しします。
2. 水路に移動し、専門家の先生が実際に生きものを見ながら、どういった環境に生物が生存しやすいか分かりやすく説明。
3. また、そうした環境を再現したり、確保できる工法の工夫についても教えてもらいます。
4. 安全管理を徹底し、参加者たちも水路で生きものさがしを実施
5. 最後に振り返りと、地域の自然、生きものたちの大切さを専門家の先生が解説
6. 地域の農業者の皆さんからもご挨拶をいただいて終了
・終了時の参加者の体調チェック
・SNSなどでの投稿についての注意喚起

▼注意喚起
観察会では必ず、違法採集と乱獲のリスクについてお話します。
希少な魚などの種名や生息場所がインターネットなどで広く発信されてしまうと、違法採集や乱獲を誘発し、希少種がその地域から姿を消してしまうことがあるためです。
観察会を行なう際は、参加者がSNSなどで発信する際の、生きものに関する情報(写真の位置情報なども含む)の管理に、最新の注意を払い、注意喚起をすることが必要です。

動画制作にご協力いただいた皆さま

順不同、敬称略。

○内田武士
「シギの恩返し米」プロジェクト推進協議会
○佐賀市役所東与賀支所総務・地域振興グループ
○佐賀市役所環境部環境政策課

○増本龍雄
ますもと農園
○関幸次郎
NPO法人「菊池川水域のやさしい自然と豊かな心を育むつくしの会」
○梅林子ども会・小田子ども会
○玉名市役所産業経済部農林水産政策課
○玉名市役所市民生活部環境整備課
○玉名市役所教育委員会教育部文化課


○多久市役所多久市教育委員会教育振興課社会教育係
○多久市役所農林課農政係
○多久市 東多久公民館


○鬼倉徳雄
九州大学大学院生物資源環境科学府附属水産実験所(動物・海洋生物資源学講座アクアフィールド科学研究室)
○中島淳
福岡県保健環境研究所
○林博徳
九州大学大学院工学研究院環境社会部門(流域システム工学研究室)
○鹿野雄一
九州大学持続可能な社会のための決断科学センター
○北村純一
三重県総合博物館

※この動画は競輪の補助により作成されました。


上記の皆さまに、この場をお借りし、あらためてお礼を申し上げます。

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