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環境サステナ就活ナビ:先輩たちの就活ストーリー 【環境サステナ就活ナビ】先輩たちの就活ストーリー Vol.1:「最前線で社会に影響を与えたい」平原颯太郎さん(株式会社リコー)

この記事のポイント
WWFジャパンが2024年5月に実施した調査では、「環境」を企業選びの大切な軸として就活をしている学生の約8割が、その思いとは裏腹に、どのように企業の環境の取り組みを調べ、評価すればよいかわからないと感じていることが判明しました。そこで、WWFジャパンは、環境を大切な軸として就活をしている学生を応援するWebサイト「環境サステナ就活ナビ」を公開。そのコンテンツのひとつとして、「先輩たちの就活ストーリー」と題し、環境を大切な軸として就活をした若手社会人の方々に、当時の就活の様子、悩みや工夫、これから就活する学生へのメッセージ等をうかがいました。
目次

平原 颯太郎さん
株式会社リコー ESG戦略本部 ESGセンター 環境推進室 脱炭素グループ(2025年入社)
京都大学大学院 工学研究科 都市環境工学専攻 修了

「外部評価×生の声」で、理想のキャリアが見えてくる

────まず、環境を大切な軸として就職活動をしようと思ったきっかけを教えてください。

自然の多い地域で育ったこともあり、幼少期から環境問題には関心がありました。

加えて、子どものころから生きもののドキュメンタリー番組を見るのが大好きでした。ちょうど物心がつくころに「エコ」や「地球温暖化」に関するテレビCMを頻繁に見かけるようになり、それも心に強く残っています。

気づいたときには「将来は環境に関わることをしたい」と思うようになり、大学は京都大学の工学部地球工学科に進学しました。

大学院の研究室では、社会や自然環境をモデル化して、条件が変わったときに環境にどのような影響が出るのかをシミュレーションする研究をしていました。たとえば「人間が肉の消費を半分にしたら、生物多様性は回復するのか」といったテーマです。

研究を通じて専門知識を身につけたことにより、環境に関わる仕事をしたいという想いがより明確になっていきました。

────就活にあたって、どのように情報収集をしていましたか?

基本的には就活サイトを使って、企業や職種の情報を集めていました。実際に入社したリコーも、就活サイト経由でスカウトをいただいたのがきっかけです。

ただ、それ以上に大きかったのは、大学の研究室や周囲の人たちから得られる情報だったと思います。

私の場合は研究で身につけた専門知識の鮮度をなるべく落とさずに社会に接続したいと考えていました。研究職も視野には入れていましたが、さまざまな道に進んだ先輩たちの話を聞いて、企業に入って自分の専門知識を実際に事業で活かしてみたいと思うようになりました。

さらに、官公庁のプログラムやインフラ系企業でのインターンでの出会いも情報収集の幅を広げることに役立ちましたし、インターン先では大学の友人とは異なる視点で就活を考えている人と出会うことができました。

「なぜその企業を選んだのか」といった生の声を、インターンの同期たちから聞けたのは大きかったですね。

────企業の環境に関する情報発信にも様々ありますが、その「本気度」はどのように判断していましたか?

まず大枠の傾向をつかむという意味では、外部評価を見るのが有効だと思います。

私の場合は、FTSE(※1)によるESG評価やCDP(※2)のスコアをチェックしたり、「日経SDGs経営調査」を参考にしていました。

(※1)FTSE…正式にはFTSE Russell(フィッツィー・ラッセル)と呼ばれ、ロンドン証券取引所グループ傘下で株価指数やESG指数の開発を行っている。独自の基準で企業のESGの取組を評価し、一定の基準を満たした企業を中心に構成されるESG指数は世界的に広く活用されている。

(※2)CDP…企業の気候変動・フォレスト・水セキュリティなどの分野の情報開示や取組内容を評価し開示している国際団体。CDPのスコアは8段階(A、A-、B、B-、C、C-、D、D-)で示されており、最高評価であるAスコアは「リーダー企業」と評価される。CDP他、企業のチェックポイントはコチラから。

さらに本気でその企業のことを知りたい場合は、統合報告書などを読むことも大切だと思います。

企業ごとに、フットプリント(環境負荷)はバリューチェーン上どこにあるのか、どの環境課題を重視しているのか、どのような事業を通じて環境に関わっているのかはまったく違います。

統合報告書を読めば、「この会社はどのようなアプローチで社会に貢献しているのか」が見えてくるはずです。

リコーに関しても、外部評価の高さをきっかけに興味を持ち、その後さまざまな社員の方と話をする中で、想像以上に社内にサステナビリティの意識が浸透していると感じました。それが最終的な志望理由につながっています。

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────環境への関心を就活でどのように伝えるか、悩む学生も多いと思います。その点についてはどう考えていましたか?

正直に言うと、かなり迷いました。環境分野に興味があると伝えると、「それ以外の仕事はやりたくないのでは」と受け取られてしまう可能性があると感じていたからです。

ただ、実際に伝えてみると、企業側から前向きに受け止めてもらえることが多かったです。「うちではこういう取り組みをしている」と具体的に話していただける機会にもなりました。

一方で、環境関連の部署への配属を強く希望していることを早い段階で伝えすぎると、「特定の領域にこだわりが強い学生」という印象を持たれてしまう可能性もあると思います。

そのため私の場合は、まずは選考に進む前の段階で「環境領域に関わるにはどのようなキャリアパスがあるのか」を確認し、実際に関われる可能性があると感じられた企業の選考に進み、最終面接に近いタイミングで自分の志向をしっかり伝えるようにしていました。

バランスが難しい部分ではありますが、自分の中で優先順位が明確であれば、あえて早い段階から意思を伝えるというのもひとつの選択肢だと思います。

────リコーのほかには、どのような企業と迷っていましたか?

実は入社を決める前は、リコーで働くか、国家公務員としてのキャリアを歩むかで迷っていました。ただ、国家公務員の場合は3年でジョブローテーションがあり、幅広い経験ができる一方で、自分の希望する分野に継続的に関われるとは限らないという点が気になっていました。

また、研究室の先輩の中には、環境系のコンサルティングを志望する人もいました。私の場合は、事業会社の仕事の方が合っているのではないかと思い、選択肢から外しました。

そして、就活当初は他業界の企業も見ていましたが、企業ごとの再生可能エネルギーの目標や取り組みを調べていく中で、自分が環境分野にどう関わりたいか、という観点で考えたときに、現在の選択肢を選ぶことに決めました。

────最終的にリコーを選んだ決め手は何だったのでしょうか?

やはり、現場社員の方と直接お話ししたときの印象が大きかったです。

私が一番興味を持っていた「脱炭素」に関して伺った際にも、先進的な再生可能エネルギーの導入方法や、これから取り組もうとしている新しい施策について、非常に具体的かつ解像度高く説明していただきました。

また、今後の仕事内容がどう変化していくのかについても聞いてみたところ、欧州の規制動向などを背景に、年々求められる対応や業務内容が変わっていくというお話があり、常にアップデートを求められつづける分野であることを改めて実感しました。

そうした最前線の変化を追いながら働ける環境であれば、自分自身も成長しつづけられるのではないかと感じたことが、最終的な決め手になりました。

実際に社会人になってから感じているのは、サステナビリティと一言で言っても、その関わり方は非常に多様だということです。

研究開発で環境に配慮した製品をつくることもあれば、情報発信を通じて社会に影響を与える関わり方もあります。だからこそ、自分がどんな形で関わりたいのかを考えたうえで、どんなキャリアを選ぶのかを逆算していくことが重要だと思います。

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知識と熱量を武器に、社会の最前線を目指す

────入社してからの仕事内容について教えてください。

現在は「ESG戦略本部」という部署で、脱炭素の取り組みに関わっています。グループ全体の脱炭素戦略を策定・推進する役割で、まだ2年目ですがさまざまな業務を経験させていただいています。

その中でも大きかったのは、SBT(Science Based Targets)のネットゼロ認証取得に関わったことです。これは企業の温室効果ガス削減目標が科学的に妥当であることを示す国際的な基準で、その新しい基準に対応するためのプロジェクトに参加しました。

これまで学んできた知識を実務に活かせる機会も多く、考えたことが方針に反映されたり、会社の取り組みに影響を与えたりする実感があるのは、大きなやりがいです。

────リコーという企業の中で、どのような社会や地球環境を目指していきたいと考えていますか?

脱炭素を進めることで別の課題が生まれたり、環境を優先すると貧困など別の側面に影響が出たりと、どうしてもトレードオフが生まれてしまう場面があります。

そうした中で、できるだけ一方を立てれば一方が立たない、という状況を減らしていくことが理想だと考えています。

また、自分自身はこれまで環境分野に軸足を置いてきた分、どうしても視点が偏りがちだと感じることもあります。

だからこそ、社内のさまざまな立場の人の意見に耳を傾けながら、複数の視点を踏まえたうえで最適なバランスを探っていけるようになりたいですね。

将来的にはルールメイキングのような、より上流の領域にも関わりながら、できるだけ最前線で社会に影響を与えられる仕事をしていきたいと思っています。

────最後に、環境を軸に就活を考えている学生にメッセージをお願いします。

まずは徹底的に情報収集をすることが大切だと思います。外から見ているだけでは分からないことが多いので、人とのつながりを作って情報網を広げていくことが重要です。

そのうえで、自分の就活軸をしっかり定めること。何度も自問自答を繰り返して、「自分は何を大事にしたいのか」を言語化していくことが必要だと思います。


もし環境やサステナビリティに関わりたいという思いがあるなら、それを信じて進んでほしいですね。この分野は社会が続く限りなくならないテーマですし、長期的に関わる価値のある仕事です。

ぜひ、自分の軸を大切にしながら、納得のいく選択をしてほしいと思います。

RB推進室 室長・羽田野洋充さんと、和やかに言葉を交わす平原さん
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RB推進室 室長・羽田野洋充さんと、和やかに言葉を交わす平原さん

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