「Travel Ivory Free」春節で日本へ旅するみなさんへ


みなさん、「あけましておめでとうございます!」
中華圏では、旧暦のお正月にあたる1月末から2月ごろまでのこの時期を「春節」と呼び、新年のお祝いを行ないます。

この時期1週間程度が祝日となり、故郷に帰省したり海外旅行へ出掛けたり、日本のお正月の過ごし方と同様に国内外への移動が活発になります。

特に中国人旅行者が、こうした大型連休の先に選ぶ渡航先には日本が上位に入っています。

春節に並ぶ大型の連休である秋の国慶節、2019年の渡航先ランキングで日本は1位でした。

2018年より国内の象牙取引が禁止となった中国。

象牙を目的として年間2万頭以上のゾウが殺されていると試算され、一番の市場であった中国での取引が禁止に。需要はなくならず、密猟・密輸が続いています。
©Martin Harvey

象牙を目的として年間2万頭以上のゾウが殺されていると試算され、一番の市場であった中国での取引が禁止に。需要はなくならず、密猟・密輸が続いています。

実は、渡航先で象牙を入手して中国へ持ち帰る人が増加傾向にあり、問題になっています。

たとえ、渡航先の国での象牙の売り買いが合法であっても、その国から中国へ持ち帰ること、つまり「輸出」は違法行為となります。

象牙の国際取引が、ワシントン条約で禁止されているからです。

こうした事態を防ぐため中国では、消費者に向けて需要自体を削減する取り組みにも力を入れて行なっています。

WWFとTRAFFICは、こうした国の姿勢をサポートするために、中国人旅行者向けのキャンペーンを2018年より展開。

2018年のキャンペーン大使 Li Bingbingさん(中国の俳優)

2018年のキャンペーン大使 Li Bingbingさん(中国の俳優)

2019年のキャンペーン大使 Huang Xuanさん(中国の俳優)

2019年のキャンペーン大使 Huang Xuanさん(中国の俳優)

今年2020年の春節には、中国の他にもタイ、ベトナム、香港、ミャンマー、カンボジア、ラオス、そして日本が協力して、同時期に「象牙を中国に持ち帰らないで」というメッセージを発信。出口である中国、入口となる渡航先の国、双方で注意を喚起しています。

日本では、羽田国際空港、成田空港でポスターを掲示していますので、空港に行かれる方は、ぜひ探してみてください!

2020年のキャンペーン大使Zhu Yilongさん(中国の俳優)。『Travel Ivory Free』というキャッチコピーを用いて「責任ある旅行者になりましょう」と呼び掛けています。特に東京税関と成田国際空港(NAA)のサポートにより、セキュリティエリアや成田空港ビル内での掲示も実施していただいています。

2020年のキャンペーン大使Zhu Yilongさん(中国の俳優)。『Travel Ivory Free』というキャッチコピーを用いて「責任ある旅行者になりましょう」と呼び掛けています。特に東京税関と成田国際空港(NAA)のサポートにより、セキュリティエリアや成田空港ビル内での掲示も実施していただいています。

【寄付のお願い】好きだからこそ 違法な取引から野生動物を守りたい

この記事をシェアする

自然保護室(野生生物 グループ長)、TRAFFIC
西野 亮子

学士(芸術文化)
2009年よりTRAFFICにて広報分野を中心に従事し、イベント運営、出版物作成などワシントン条約に関する普及啓発に努める。2016年からは重点種(特に注力すべき種)プログラム推進に携わり、取引を中心とした現状調査を担当。2018年以降は、関係する行政機関や企業へ働きかけ、取り組み促進を促す活動に従事し、野生生物の違法取引(IWT)の撲滅、持続可能ではない野生生物取引削減を目指す。ワシントン条約第70回常設委員会参加。東京都象牙取引規制に関する有識者会議委員(2022年3月終了)

「野生生物を守る」ことを起点に、そこに暮らす人、その場所の環境、そして利用する側の意識、すべての段階で取り組みが必要です。生息地から市場まで、それらを繋ぐことが私の役割です。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP