© Staffan Widstrand / WWF

猫の日:ヒマラヤのオオヤマネコ


すっかり定着した感のある2月22日の猫の日。世界中に生息する野生のネコ科動物の中から、寒い季節にぴったりの1種を取り上げます。特徴的な耳の長い房毛と豊かな毛皮を持つオオヤマネコです。

アジアからヨーロッパにかけて、広く分布するオオヤマネコには、地域ごとに多くの亜種が存在します。

オオヤマネコという種(しゅ)としての絶滅のおそれは高くありませんが、亜種レベルでみるとその生息状況は様々です。

ハンティングの対象とされ、その毛皮がアパレル業界で人気の高かったヨーロッパでは、いなくなったり、大幅に数を減らしたりしている地域もあります。

生後2か月のオオヤマネコ(Lynx lynx)とノロジカ(Capreolus capreolus)の幼獣。減少したオオヤマネコの個体群を増やすための補強が行われているポーランドにて。
© Hartmut Jungius / WWF

生後2か月のオオヤマネコ(Lynx lynx)とノロジカ(Capreolus capreolus)の幼獣。減少したオオヤマネコの個体群を増やすための補強が行われているポーランドにて。

WWFジャパンが活動を支援しているユキヒョウ保全プロジェクトのフィールドである西ヒマラヤ・ラダックには、3種のネコ科動物がいます。

一番大きいのがユキヒョウ、二番目が体長140cmにもなるオオヤマネコで、一番小さいのがマヌルネコです。この地域に生息するオオヤマネコの亜種(Lynx lynx isabellinus)は、トルキスタンオオヤマネコやヒマラヤオオヤマネコなどと呼ばれます。

マヌルネコ(Otocolobus manul)
© Staffan Widstrand / Wild Wonders of China / WWF

マヌルネコ(Otocolobus manul)

トルキスタンオオヤマネコは、富士山ほどの標高の場所に生息し、マーモット、ノウサギや若いバーラルなどを狩って食べます。しかし、ヒツジやヤギなどの家畜を襲うこともあり、これが人とのあつれきを引き起こします。

西ヒマラヤ・ラダックでカメラトラップにより撮影されたユキヒョウ(Panthera uncia)。現地の人は、「シャン」もしくは「スチャン」と呼びます。
© Sascha Fonseca / WWF-UK

西ヒマラヤ・ラダックでカメラトラップにより撮影されたユキヒョウ(Panthera uncia)。現地の人は、「シャン」もしくは「スチャン」と呼びます。

人と野生動物の共存を目標とする西ヒマラヤのプロジェクトは、ユキヒョウだけでなくオオヤマネコと人の衝突を回避するのにも役立ちます。

世界中のネコ好き、野生動物好きのみなさんと一緒に、すべてのネコ科動物が脅威にさらされない世界を目指して、活動を続けます(野生生物グループ 若尾)。

【寄付のお願い】ユキヒョウの未来のために|野生動物アドプト制度 ユキヒョウ・スポンサーズ

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自然保護室(野生生物)、TRAFFIC
若尾 慶子

修士(筑波大学大学院・環境科学)
一級小型船舶操縦免許、知的財産管理技能士2級、高圧ガス販売主任者、登録販売者。
医療機器商社、海外青年協力隊を経て2014年入局。
TRAFFICでペット取引される両生類・爬虫類の調査や政策提言を実施。淡水プロジェクトのコミュニケーション、助成金担当を行い、2021年より野生生物グループ及びTRAFFICでペットプロジェクトを担当。
「南西諸島固有の両生類・爬虫類のペット取引(TRAFFIC、2018)」「SDGsと環境教育(学文社、2017)」

子供の頃から生き物に興味があり、大人になってからは動物園でドーセントのボランティアをしていました。生き物に関わる仕事を本業にしたいと医療機器業界からWWFへ転身!ヒトと自然が調和できる世界を本気で目指す賛同者を増やしたいと願う酒&猫好きです。今、もっとも気がかりな動物はオガサワラカワラヒワ。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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