3倍の体重の獲物を仕留めるハンター、ユキヒョウ


「よし、あいつをやっつけてこい」

そういわれて指さされた先にいるのが、体重180キロのお相撲さんだったら???

それはそれは困りますよね。

ですが、自然の世界には、時に自分の3倍の体重の獲物に飛びかかり、それを仕留めてしまうハンターがいます。

中央アジアのアルタイ山脈やヒマラヤの高山にすむユキヒョウです。

このユキヒョウの食物になっているのは、バーラルやアイベックス、アルガリ、マーコールといった、同じく険しい山岳地帯にすむ草食動物です。

これらは野生のヤギ、ヒツジのなかまで、特にアルガリやマーコールなどは、大型のものでは体重が100キロをゆうに超え、繁殖期にはオス同士が大きな角をガツンガツン!とぶつけ合ってメスを争う、文字通り力士のような力強さを持っています。

これを体重が35~55キロのユキヒョウが襲うわけですから、そのハンターとしての能力の高さには驚くほかありません。

ユキヒョウは世界で最も高地に生きるネコ科動物の一種。ちなみに、よく似ていますが、ヒョウとは別種の動物です

高山での調査は大変。時に標高6000メートルの高地にも姿を現すそうです

しかし、こうしたユキヒョウの力は、放牧されている家畜にもしばしば向けられることがあり、特にモンゴルなどでは、害獣として問題になっている地域が多くあります。

生息環境の減少や変化によって、人との間で生じているこのようなトラブルは今、ユキヒョウを減少させる原因の一つになっています。

そしてその背景には、人口の増加や、豊かさを手にしようと開発や海外資本の導入を急ぐ、アジアの国々が抱える社会の課題があります。

解決は簡単ではありませんが、ユキヒョウのような動物を守るということは、そうした問題の解決にもつながるはずです。

求められる取り組みは多くありますが、日本という国でも出来る取り組みを、私たちも進めてゆかねばと思います。
(サポーター事業室 河村)

アルガリ。野生のヒツジでは世界最大の種

ヤクのオス(最大1トン!)を除くと、ほとんどの家畜はユキヒョウの獲物になり得るそうです

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C&M室 キャンペーングループ長
河村 翔

環境問題が少しでも心に届くよう、ありとあらゆる手段を考え実行する仕事をしてます。

自他ともに認める考えすぎる性格で、社会のあり方から下世話な話まで、世界に興味が尽きません。人がこんなに多くいて、問題がこんなにあって…21世紀、人類をもう少し良くしたくて、働いています。

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