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気候変動に関するバンコク会議、COP24に向けてルール作りが(意外と?)前進!


気候変動・エネルギー担当の小西雅子です。

2015年に採択された歴史的な気候変動対策の国際協定である「パリ協定」を、世界各国がどのように実施していくか。そのルール(実施指針)を議論するバンコク会合(APA1-6及びSB48-2)が終了しました。
これは、2018年末にポーランドで開催される国連の温暖化防止会議(COP24)で決定されることになっているパリ協定のルール作りのための最後の準備会合です。結果、(意外と!)交渉が前進。もちろん十分ではないのですが、COP24における合意への道が、なんとか見えてきました。

前進した論点の会議では、各国代表団が議長と一緒に記念写真に納まる姿も見られ、和やかでした
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前進した論点の会議では、各国代表団が議長と一緒に記念写真に納まる姿も見られ、和やかでした

今回のバンコク会合は、各国の事務方レベルで交渉される会議です。つまり政治的な決定権のある政府高官たちが来る会議ではありません。
そうした前段階の会議で、自国の主張に反した方向に話が進むのは各国とも嫌なので、なかなか進展しないことがよくあります。
しかし、このバンコクで交渉を進めないと、COP24でのルール作りの合意には間に合いません!
そのため、今回の会議では、各国が初日から真剣に、実質的なルールを交渉したのです!
そもそもの交渉の仕方でもモメることの多いこうした会合では、これはなかなか無いことでした。

しかもここまで議論をリードしてきた議長たちに対し、各国が結構信頼を寄せており、(意外と!)ルール作りの交渉は進展。
論点によって差はあるものの、COP24に向けて、ルール文書の草案となる文書が形作られるなどある程度進展することができる結果となったのです!

もちろん交渉官たちが涙目になるほど鋭く対立した深刻な論点はそのままCOP24に持ち越されていますが、なんとかパリ協定の実施に向けて各国ともに真剣に取り組んでいることが感じられたバンコク会議でした!

詳しくはぜひ会議報告をご覧くださいませ!

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専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

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