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韓国でホワイトリストの実施


近年、野生動物の利用について規制強化が進む韓国での続報です。
韓国国内で取引、飼育できる野生動物を限定した「ホワイトリスト」制度が2025年12月14日に施行されました。

韓国では、野生動物をペットとして利用することによる人獣共通感染症や生態系への影響が問題視されてきました。

ベニジュケイはチベット南東部から中国、ベトナム北部 にかけて生息するキジ科の鳥。日本ではアニマルカフェでの利用が確認されている(韓国のホワイトリスト掲載種)。
© Staffan Widstrand / Wild Wonders of China / WWF

ベニジュケイはチベット南東部から中国、ベトナム北部 にかけて生息するキジ科の鳥。日本ではアニマルカフェでの利用が確認されている(韓国のホワイトリスト掲載種)。

このため2022年に「野生生物保護及び管理に関する法律」を改正。それまで無規制に取引などが行われていた約1万9,000種を「指定管理野生動物」と定め、これら動物の輸出入や飼育などを原則禁止としたのです。

今回、感染症の伝播や生態系に及ぼすリスクが低いと判断された動物種に限り、飼育などを認め、その種を掲載した「ホワイトリスト」が策定されました。

ホワイトリストに掲載された動物種は888種(哺乳類9種、鳥類17種、爬虫類655種、両生類207種)。

飼育下繁殖個体が多く流通するヒョウモントカゲモドキ(韓国のホワイトリスト掲載種)。
© Martin Harvey / WWF

飼育下繁殖個体が多く流通するヒョウモントカゲモドキ(韓国のホワイトリスト掲載種)。

掲載種の選定は、国内生態系への定着リスク(気候の適合性や交雑可能性)や、動物福祉担保の実現可能性(広い空間や特別な環境の整備)、野生個体流通の有無など、さまざまな観点から評価がなされました。

爬虫類、両生類については多くの種が掲載され、ホワイトリストの効果に疑問の声もあります。
しかし、リスト掲載種の飼育や譲渡などには自治体への申告が必要になり、日本に比べると厳しい措置であることは言うまでもありません。

体色が空のような薄い青色に変化する特徴を持つウスグロノドツナギガエル(韓国のホワイトリスト掲載種)。
© Don Getty

体色が空のような薄い青色に変化する特徴を持つウスグロノドツナギガエル(韓国のホワイトリスト掲載種)。

さらに、韓国ではワシントン条約掲載種の輸入や販売を行う事業者には営業許可申請が必要となる規制も同時に施行されました。

韓国ではホワイトリストの導入に加え、野生動物を扱う触れ合い施設(野生動物カフェ)が禁止されています。日本では野生動物カフェの規制はありませんが、腸管出血性大腸菌といった病原性細菌が検出されるなど、深刻な問題も起きています。

現在日本では動物愛護管理法の改正の議論が進められています。
日本も野生動物利用の問題に目を向けるべき時が来ています。(野生生物グループ 浅川)

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自然保護室(野生生物)、TRAFFIC
浅川 陽子

学士(法学)
大学卒業後は官公庁に勤務。JICAの青年海外協力隊としてインドネシアの国立公園で環境教育とコミュニティ開発に携わった後、2018年にWWFに入局。
ペットプロジェクトでは、規制強化を担当し、2021年からは消費者の意識変容に向けた取り組みにも着手。

動物好きな消費者が、野生動物を絶滅の危機にさらしてしまわないよう、あるべき野生動物との付き合い方、社会のルールとは何か、を日々勉強中。

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