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オランダが新たな野生動物のペット飼育規制を開始


近年、犬猫以外の「エキゾチックペット」や「エキゾチックアニマル」と呼ばれる動物の飼育が注目を集めています。

しかしながら、その中にはフェネックやコツメカワウソといった野生動物も含まれています。

これらの野生動物のペット飼育は、その動物を絶滅の危機に追い込んだり、密輸、外来種化などさまざまな問題を招くことが指摘されています。

© John E. Newby / WWF

フェネック(Vulpes zerda)は北アフリカからアラビア半島の乾燥地帯に生息する野生動物です。獲物を捕まえるために発達した大きい耳は音に敏感で、夜行性であることなどからも、ペットとするには不適な動物です。

そんな中、オランダ政府が7月、国内でペット飼育を認める動物を限定し、それ以外のエキゾチックペットや愛玩動物のペット飼育を禁止する方針を発表。

300種以上の「哺乳類」をまず検証し、飼育が許可される動物のリストを公開しました。

対象となったのは犬やハムスター、モルモット、フェレットなど30種です。

サーバルやフェネック等の野生動物を含む多くの種が検証されましたが、この30種以外は伴侶動物として飼育するのは不適切である、と判断されました。

この飼育規制は2024年の1月1日より施行される予定で、現在オランダ政府は、これらに関するより詳細な規制の策定を進めているとのことです。

© Martin Harvey / WWF

サーバル(Leptailurus serval)は、日本では特定動物(人に危害を与えるおそれのある危険な動物)に指定され、2020年6月以降愛玩目的等での飼養は禁止されています。

実は、オランダ政府がこのような野生動物のペット飼育に関する規制を行なったのは、今回が初めてではありません。

2015年に初の許可リストの適用を行いましたが、飼育愛好者や業界から「リストが十分な注意を払って作成されていない」と抗議を受けました。

そのため、今回の新しいリストの作成にあたっては、省庁が専門家に異なる手法を用いたリストの作成を依頼し、許可される種を選定。

独立した諮問委員会もこれらの種が適切であるか検証を行ないました。

このオランダ政府の決断の背景には、犬猫以外の動物をペットとする人の数が急増した一方で、最後まできちんと飼育できないケースが多発したことなどがあります。

日本でも、ペットとして飼育される野生動物の脱走が頻繁に報道されています。

野生動物のペット飼育を取り巻く問題は、日本も海外も変わりません。

私たちもこの問題の早期解決に向け、取り組みを続けていきます。

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森林・野生生物室 野生生物グループ TRAFFIC
岡元 友実子

獣医学修士(ソウル大学)/ IUCN カワウソ専門家グループメンバー
学部から大学院に至るまで、野生動物について専門的に学ぶ。修了後、上野動物園など日本および台湾での動物園勤務を経て、2021年WWFジャパン入局。現在はペットプロジェクトに関連した業界変容を担当。

学生時代に海外で野生のカワウソを見たことをきっかけに、大のカワウソ好きに。「二ホンカワウソ絶滅」の悲劇を二度と起こしてはならない!の決意を胸に日々野生動物保全のため奮闘中。特技は語学(英語・中国語・韓国語)。

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