©Jason Houston / WWF-US

現実の猛暑や洪水がどの程度地球温暖化と関連している?7年ぶりにIPCC新報告書発表!


こんにちは。気候変動エネルギー担当の小西です。

地球温暖化に関する国連の科学の報告書IPCCが、7年ぶりに2021年8月9日に、新報告書「第6次評価報告書」の第1弾を発表しました。前回の報告書(2013~2014年発表)で示された科学的知見は、世界全体が参加する温暖化対策「パリ協定」の合意(2015年)に大きく貢献しました。今回も年末にイギリスで開催されるCOP26会議に向けて、その新知見が注目されます。

IPCC第6次評価報告書「自然科学的根拠」政策決定者向け要約(2021年8月9日発表)
IPCC第6次評価報告書は3つの作業部会に分かれており、今回は自然科学を取り扱う第1作業会の報告書。2022年2月に「温暖化の影響(影響、適応、脆弱性)」、そして2022年3月に第3作業部会「気候変動の緩和策」、2022年9月に3つの部会の知見を統合した「統合報告書」が発表される予定

私は2007年からずっと報告書が発表されるIPCC総会にオブザーバー参加しているのですが、今回最も注目したのは、イベントアトリビューションと言われる研究の知見です。これは現実に起きている熱波や激しい降水がどの程度温暖化によってかさ上げされたかを科学的に示されるものなんです。

夜中、早朝、日中と大きな時差がある中、参加した195か国の政府代表団。
WWF小西雅子もオブザーバー参加。

地球温暖化などのグローバル問題と言っても、関心ない人も少なくないですよね?しかし誰もが関心があるのは、ご自分に関わること。熱中症のリスクが高い猛暑に見舞われたり、お住まいの近くで大洪水が発生するかは、どんな方でも深刻にとらえると思います。

新しい科学では、今発生している極端現象が、もし温暖化が起きていなかったらどうだったのか、教えてくれるんです。そして今後の気温上昇の幅によって、そういった現象がどの程度深刻化していくのか。それらの予測は誰にとっても重要な知見で、知っているか知らないかで、生死を分けると言っても過言ではないと思います。

今後の気温上昇はもはや避けられませんが、それを産業革命前に比べて1.5度までに抑えることが出来れば、3度や4度上がってしまう場合に比べてどの程度影響が抑えられるかも示しています。

今や世界の主要国やグローバル企業は、この1.5度目標を目指すことが主流となっています。そのために必要なことは2030年には排出量をほぼ半減し、2050年には排出をネットゼロにすること。

11月にイギリスで開催されるCOP26会議に向けて、各国に2030年目標の引き上げと対策の強化が求められています。それを我が事として捉えて、みんなで向かっていくことを願っています!

この報告書の概要はぜひ下記をご覧ください。

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WWFジャパン  専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005年に国際NGOのWWFジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び環境・エネルギー政策。2002年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会持続可能性委員会委員、環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書「地球温暖化は解決できるのか~パリ協定から未来へ!~」(岩波ジュニア新書2016)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

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環境保全団体です。

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