© Maya Takimoto/WWF Japan

環境問題をどう伝えるか:ロンドン自然史博物館の展示から


ロンドンにある自然史博物館では『Fixing Our Broken Planet(壊れゆく地球の修復)』という常設展をやっています。

標本を用いて生き物の変化を示したり、学芸員や研究者の語り口調のコメントでの解説や、一般の人が行なっている取組みの紹介等を随所に配置。訪れた人に、環境問題を感じ、理解してもらうための工夫が施されています。

こうした展示では、私たちの暮らしと生き物や環境の変化についての関係もわかりやすく図解されており、暮らしの様々な選択がどれだけ環境に負荷をかけているのか見て、感じることができます。

自然史博物館は、恐竜の標本などで有名な歴史ある博物館ですが、2025年4月より始まった、この新しい常設展には、これまでに200万人以上が訪れ、恐竜コーナーに次いで2番目に訪問者の多い展示になっているそうです。

© Maya Takimoto/WWF Japan
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パプアニューギニアのサンゴ礁
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ロンドン自然史博物館 常設展『Fixing Our Broken Planet』
展示内容の資料等は、ロンドン自然史博物館のウェブサイトから御覧いただくことができます。「Fixing Our Broken Planet

また、こちらと並行して、2026年夏までの企画展『Our Story(私たちの物語)』も行なわれています。

英国で有名な環境活動家のデイビッド・アッテンボローさんの語りと360度の映像で、人類の誕生からこれまでやってきたこと(発展も破壊も含めて)を振り返り、そして悲観的になりがちな環境問題にこれから立ち向かっていく勇気がわくストーリー展開がされるエキシビションです。このOur Storyのストーリー監修にはWWFイギリスのスタッフも入っています。

美しい映像、アッテンボローさんの強く優しい語り口、そして、「Our story(私たちの物語)のnext chapter(次の章)は今を生きる私たちが描くんだ」というポジティブメッセージがとても良い企画展で、こちらも連日チケットが売り切れとなるくらいでした。

© Maya Takimoto/WWF Japan
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ロンドン自然史博物館 常設展『Fixing Our Broken Planet』
展示内容の資料等は、ロンドン自然史博物館のウェブサイトから御覧いただくことができます。「Our Story

たくさんの情報があふれ、環境問題への関心も薄れがちになる社会情勢の中、自然への敬意や、地球に暮らす私たち一人ひとりがもつ保全への責任など、関心を掘り起こす工夫は、私たちの活動にも、大きなヒントになります。日本での取り組みにも、しっかり活かしていきたいと思います。
(自然保護室 海洋水産グループ 滝本)

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自然保護室(海洋水産)
滝本 麻耶

デンマーク オーフス大学政治学科留学、慶應義塾大学法学部政治学科卒(法学士)、ドイツ アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク大学院環境ガバナンス修士号取得。
大学・大学院にて、環境政策・環境ガバナンスについて学び、編集者、環境コンサルタントを経て、サイエンス・コミュニケーションの経験を積む。2017年WWFジャパンに入局。海洋水産グループにおいて、海洋環境保全や水産資源保護に向けて、消費の側面にフォーカスしたパブリックアウトリーチの取組みを行っている。

子どもの頃、ケージ飼いの養鶏場を見たことがきっかけで、自分が食べるもののこと、そして、自分がどんな世界・社会で生きたいんだろうと考え始め、環境哲学、環境政策、政治のことを学びました。大事にしているのは、大きく早く多くなるだけでなく、小さく遅く少なくなる「発展」もあるという考え方。この考え方をベースに、自分が生きたい環境がなくなってしまわないよう、頑張ります。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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