土用の丑の日だからこそ…ホントはこわいウナギの話


2022年の7月23日と8月4日は「土用の丑の日」。
そして夏と言えば怪談…今日はウナギについて、背筋の凍るお話をご紹介します。

よく食べられる二ホンウナギやヨーロッパウナギに絶滅の恐れがあることは、今や多くの方にとって常識になりつつあります。しかし、ウナギをとりまく状況はそれだけではありません。
実は、密漁や違法取引の可能性も指摘されているのです。

近年、過剰な利用と生息環境の悪化によって、ウナギは激減。
また、養殖に利用される稚魚のシラスウナギは、その大半が「どこで採捕されたものか」わからない現状があります。

ニホンウナギ稚魚の国内採捕量の比較。輸入された数量を差し引いた国内のシラスウナギの採捕量(青棒)と特別採捕の報告量(オレンジ棒)との間には毎年大きな差異がある。日本国内で行われているニホンウナギの養殖であっても、全国平均でみると、供給されるシラスウナギの4割から6割は、無報告も含め、違法性が疑われる漁獲によるものが混ざり込んでいるものと推定される。

今、日本はもとより、世界各地の海で、IUU(違法・無報告・無規制)漁業が、大きな問題となっていますが、日本においては、ウナギはこのIUU漁業の代表格ともいえる魚。

またIUU漁業では、環境への影響だけではなく、奴隷労働などの人権問題も深刻な問題となっています。

資源が危機的な状況にあり、違法行為も横行。皆さんの目の前のウナギも、実はそんな問題だらけのウナギかも…!?

今年の土用の丑の日は、ウナギを控えてみようかな。
そう思った方は、ぜひIUU漁業を無くすために、流通の適正化を求める声も上げていただけたらと思います。

WWFでは、海の環境も生産現場で働く人も、そして将来世代にわたって海の恵みを守っていくために、署名活動を展開しています。
https://www.change.org/IUUfishing

皆さんの声を託していただき、持続可能なウナギを食べられる未来への一歩を、一緒に歩んでいただけたらと思います。(自然保護室 滝本)

IUU漁業の人権問題をもっと知りたい方は、WWFジャパンが特別協力をしている映画「ゴースト・フリート」もぜひご覧ください。

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自然保護室 海洋水産グループ所属
滝本 麻耶

デンマーク オーフス大学政治学科留学、慶應義塾大学法学部政治学科卒(法学士)、ドイツ アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク大学院環境ガバナンス修士号取得。
大学・大学院にて、環境政策・環境ガバナンスについて学び、編集者、環境コンサルタントを経て、サイエンス・コミュニケーションの経験を積む。2017年WWFジャパンに入局。海洋水産グループにおいて、海洋環境保全や水産資源保護に向けて、消費の側面にフォーカスしたパブリックアウトリーチの取組みを行っている。

子どもの頃、ケージ飼いの養鶏場を見たことがきっかけで、自分が食べるもののこと、そして、自分がどんな世界・社会で生きたいんだろうと考え始め、環境哲学、環境政策、政治のことを学びました。大事にしているのは、大きく早く多くなるだけでなく、小さく遅く少なくなる「発展」もあるという考え方。この考え方をベースに、自分が生きたい環境がなくなってしまわないよう、頑張ります。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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