ワンヘルスでひろがる獣医師とのつながり
2026/05/15
先月4月21日から24日にかけて、世界獣医師大会2026が東京で開催されました。
この大会のひとつのプログラムとして開催されたワンヘルスサミットは、世界中から獣医師や研究者が集まり、人・動物・環境の健康を一体として捉える「ワンヘルス」の視点から、獣医学の未来について議論する国際会議です。
サミットでは、WOAH(国際獣疫事務局)やWHO(世界保健機関)など、さまざまな関係者が登壇し、WWFからは事務局長の東梅が野生生物取引とワンヘルスをテーマに、野生動物のペット利用に伴う問題や、これまで獣医師と連携して進めてきた取り組みについて話しました。


印象的だったことは、気候変動や野生動物の生息地、生物多様性の喪失に対する強い危機感が、多くの参加者から聞けたことです。野生動物をめぐる環境の変化は、動物福祉の問題だけでなく、人への感染症リスクにもつながります。
野生動物の生きる環境を守ることは、感染症を「起こさせない」予防につながるという理解が分野を越えて共有され、ワンヘルスの重要性が会場全体に広がっていることを感じました。
そうした流れの中で、獣医師が果たす役割についても活発な議論が交わされました。治療だけでは解決できない課題や、環境や人の暮らしとも深く関わる難しさの葛藤が共有される中で、ワンヘルスは決して一つの分野だけで完結するものではないという認識が、より現実的なものとして浮かび上がってきました。

環境保全分野に限らず異なる分野の登壇者からも、 『野生動物を守ることは、感染症予防だけでなく、私たちの暮らしと命を支える自然そのものを守ることだ』という声が聞かれました
獣医師と力を合わせることは、ワンヘルスを社会に根づかせていくための土台そのものだと感じます。人・動物・環境の健康をつなぐこの視点を、具体的な行動へとつなげていくこと。その役割を、今後も大切に担っていきます。
(サポーターリレーショングループ 和田)



