憧れの鳥、シマフクロウ


今から30余年前。
高校1年生だった私が、バードウォッチング仲間の友人と二人、初めて訪れた初夏の北海道は、本当に夢のような場所でした。

広大な道東の原野。
エトピリカやタンチョウといった、日本では北海道でしか見られない野鳥たち。

宿も決めずにそんな景色の中に飛び込んだこの時の記憶は、今も鮮明に残っています。

ですが、出会えなかった鳥たちもいました。
その後、再三足を運ぶも、いまだ見る機会のない北海道の鳥。

その憧れとも言っていい鳥の代表が、シマフクロウです。

夜行性のフクロウは、もともと見つけるのが難しい鳥。
昼間はほとんど動かないので、気づけないことが大半です。

といって、夜の観察は、大概真っ暗闇なので、これはこれで見るのが難しい。

加えて、シマフクロウともなれば日本で最大、世界でも有数の大型フクロウです。

野生の姿を見られたら、どれほど嬉しいか!

と、思い続けて幾星霜。いまだ機会に恵まれておりません。

なかなか出会えないことには、シマフクロウの現状も関係しています。

個体数が少なく、絶滅が心配されているためです。

そもそも大型のフクロウは、獲物となる小動物が豊富な、多様で豊かな自然が無ければ生きられません。また、巣を作るにも大径木の樹洞が必要です。

また、卵もたくさん生むわけではなく、巣立ちにも時間がかかるため、保護活動を行なっても、回復させるのが大変なのです。

そんな中で、活動をご一緒することのある、公益財団法人日本鳥類保護連盟の皆さまが、シマフクロウ保護のためのクラウドファンディングを始められたと伺いました。

▼クラウドファンディングのサイト。愛鳥家の皆さまはぜひご支援を!
https://readyfor.jp/projects/jspb2021
★期間:6月末まで。目指せ300人!

私にとっては、憧れの鳥の未来を守る取り組み。ぜひ、成功してほしいものです!

この記事をシェアする

自然保護室(コンサベーションコミュニケーション グループ長)
三間 淳吉

学士(芸術学)。事務局でのボランティアを経て、1997年から広報スタッフとして活動に参加。国内外の環境問題と、保全活動の動向・変遷を追いつつ、各種出版物、ウェブサイト、SNSなどの編集や制作、運用管理を担当。これまで100種以上の世界の絶滅危惧種について記事を執筆。「人と自然のかかわり方」の探求は、ライフワークの一つ。

虫や鳥、魚たちの姿を追って45年。生きものの魅力に触れたことがきっかけで、気が付けばこの30年は、環境問題を追いかけていました。自然を壊すのは人。守ろうとするのも人。生きものたちの生きざまに学びながら、謙虚な気持ちで自然を未来に引き継いでいきたいと願っています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP