シリーズ:気候危機の解決に向けて、私にできることは?「国会や地元の議員、選挙の候補者に、SNSで温暖化政策を尋ねてみる」編


都道府県を選択すると、その地域に起こりうる今世紀末の気候危機を見ることができる「未来47景」キャンペーン。大切な地元にも温暖化の影響が及びうることを知って、食い止めるための行動を呼びかけるとともに、特設サイトでは、個人にできる12のアクションをご紹介しています。

でも、「気候変動ってとっつきにくい、実感がない」「個人の行動で何が変わるの?」と感じている人も多いはず。そこでこのシリーズでは、12の選択肢からピックアップしたアクションについて、WWFインターン歴2か月の大学生・エナさんが、気候変動・エネルギーグループの専門家に聞いた行動のヒントをご紹介します!

エナ:イチカワさん、だんだんアクションのハードルが上がってきましたね(汗)私は温暖化も政治も、関心はあっても人並みの知識なので、ちゃんとアクションできるか不安です。

イチカワ:大丈夫ですよ、一緒に考えていきましょう!

エナ:そもそも気候危機の解決に向けて、政治ってどういうふうに大事なんですか?

イチカワ:排出量の多い企業などの行動を変えるため、政治の流れが重要になります。

©Michel Gunther / WWF

温室効果ガスは企業・公共部門からの排出が多くを占め、実に約85%にのぼります(下図参照)。

企業が活動するにあたっては、世の中のトレンドを上手くつかめるよう、国の法制度や支援策に沿えるよう、国の方向性を意識しますよね。そのため、国の政策の行方を決める政治は、実は、多くの企業の目標・行動を変え、ひいては排出削減につながるため、重要になります。

間接排出量で見た場合の家庭部門以外の排出量の合計は約85%。
出典)温室効果ガスインベントリオフィス/全国地球温暖化防止活動推進センター https://www.jccca.org/chart/chart04_04.html

エナ:なるほど、本丸中の本丸ですね!

今回は、「国会や地元の議員、選挙の候補者に、SNSで温暖化政策を尋ねてみる」がお題です。私も18歳で選挙権を手にしたばかりなんですが、有権者としては、誰に何を求めたらいいのでしょうか?

イチカワ:国、都道府県、市町村など、規模感は違えども、いずれも削減目標と計画を掲げ、予算をつけ、法律(条例)を制定することを通じて、社会を動かす役割を担っているという点では一緒です。

が、予算規模も大きく、強制力があり、より幅広い法律の制定が可能な、国の影響は非常に大きいです。当然、国政は都道府県や市町村にも影響を及ぼしますね。

何を尋ねるかですが、国際社会では、気候変動の影響を抑制する目安として、温度上昇を2℃ないし1.5℃未満にすることが目標となっています。この1.5℃未満を達成するため、2050年までにCO2排出ゼロを達成することが社会的通念となりつつあります。

© Shutterstock / ArtisticPhoto / WWF

世界の平均気温上昇を2℃ないし1.5℃に抑える努力を追求することを定めた「パリ協定」。2015年の国連気候変動枠組条約締約国会議で、世界約200か国が合意して成立しました。

ですので、「2050年までにCO2排出ゼロに向けて、どのような具体的対策を考えていますか?」と聞いてみてください。

また、新型コロナウイルスによって、私たちは今まさに、変化の時代に生きていますね。コロナ禍で停滞した経済の回復が促されていますが、ただ元通りに戻るのではなく、より化石燃料に頼らない、”脱炭素”社会に向けた「グリーンリカバリー」をしよう、という声が強まっています。

合わせて、「コロナからの経済回復において、どのような温暖化対策が必要だと思いますか?」ということも聞いてみてください。

© Andrew Kerr / WWF

石炭火力発電からの脱却は喫緊の課題

エナ:「2050年CO2排出ゼロ」と「グリーンリカバリー」。どちらもとても大事なキーワードのように思います!私たちが声をあげるタイミングとしては、選挙の立候補段階が一番いいのでしょうか?

イチカワ:候補者の掲げる政策がでそろう立候補のタイミングであれば、質問や指摘もしやすいかと思います。ただ、大切な温暖化対策を踏まえて政策を掲げてもらう意味では、選挙のタイミングを待たず、まずは、いまの議員さんに聞いてみることも大切ですね。

エナ:街頭演説のような場では、尋ねるのにとっても勇気がいりますし、周りの目も気になってしまいます。SNSだと比較的気は楽ですが、反面、きちんと答えてくれるのか、私ひとりの声では届かないんじゃないかと思ってしまいます。

© naturepl.com / Ole Jorgen Liodden / WWF

イチカワ:よくわかります。でも候補者の視点で見れば、そのような質問を受けることで、支持を得るには気候変動への取り組み姿勢が必要だということを、認識することにつながります。その時点では気候変動に関心がない議員であっても、気候変動問題に意欲的な議員に変えることができるかもしれません。

多くの候補者に質問をした結果、候補者の意識が気候変動に少しでも意欲的になれば、仮に自身の支持者が当選しなくても、対策は進むかもしれませんね。

答えがなかったからと落胆することは必ずしもありませんが、声の数が力を持つことは明らかです。これは、有権者でない18歳未満の方でも、その都道府県や市町村の選挙権のない方でもできるアクションですので、家族や友人など周りの人に働きかけて一緒に声をあげていきたいですね!

© WWF-US / Keith Arnold

エナ:ひとりで何とかしようと思わないで、輪を広げることが大切ですね。

イチカワ:また、2020年7月の東京都知事選挙では、「NO YOUTH NO JAPAN」という団体が、「U30の争点」として、複数の候補者に気候変動対策についての質問を投げかけました。こういった同世代の声をシェアするのも、立派なアクションです。

エナ:似たような関心を持つコミュニティがあるのも心強いです!イチカワさん、今日もありがとうございました。

「未来47景」キャンペーンサイトでは、みなさんの意思表明をお待ちしています。地元の未来の気候危機を知ったあとは、取り組みたいアクションを選んで「実行する」ボタンのクリックをお願いいたします!

次回は、「地域の自治体に『2050年CO2排出ゼロ宣言』の宣言予定や具体的な対策を聞く」編。公開するとSNSでお知らせしますので、WWF公式
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