環境対応を事業機会に活かす経営とは?戸田建設訪問記[前編]
2025/12/25
戸田建設さんといえば、早くから環境への取り組みを始めたことで有名です。複数の表彰を受けていらっしゃいますが、私が一番びっくりしたのが、2016年という早い時期に役員報酬に環境指標を連動されたと聞いた時でした。経営層からサステナビリティに対する意気込みが違います!猛暑や豪雨など気候危機によるリスクが増大する中、さらに環境対応をバージョンアップされている戸田建設さんを訪問してきました。
30年以上も前から環境課題への取り組みを進めて来られた戸田建設、「エコ・ファースト企業」の認定を受けた2010年頃から、気候変動への取り組みも加速させてきました。国内の建設業界で初めてSBT認証を取得し、RE100へ加盟、CDPで最高評価を受けています。
サステナビリティ委員会は取締役会に設置されており、2016年にはCO2排出量を取締役の役員報酬に連動させたのです。なぜまだ日本でほとんど普及していない時期に可能になったのかとお聞きしたところ、実はトップご自身の発案とのこと。やはりリーダーが動くと事業会社は進むのだと得心した私です!

取材のご対応をいただいた戸田建設株式会社イノベーション推進統轄部 環境ソリューション部 課長 五十嵐保裕氏(左)と。落ち着いた雰囲気ながら、深い情熱を感じる取材でした。
では早くから環境対応を前面に推進してこられたモチベーションはというと、その一つは外部評価とのこと。実は建設会社というのは、機械や工場などのハードはほとんど持たず、他社のえりすぐった技術を組み合わせて提案するのが仕事。施主のニーズを把握しながら環境に優れた取り組みをしていたら、多くの外部評価を得られました。すると社員がさらにやる気になって好循環となったとか!「外部からの高評価に一番反応するのは社員」なんだそうです。
環境対応をしっかり事業機会としても活かす経営こそが、真の脱炭素社会の担い手ですね!ますます脱炭素化に向けた提案に期待しています!詳しくは記事をご覧ください。

小西雅子インタビューシリーズ paint a future戸田建設(株)前編 ~アグリゲーションを通じた価値の創造 気候変動対策の取り組み強化へ(PDF)
※この記事は、日報ビジネス株式会社のご許可を受けて「隔月刊 地球温暖化」から転載しています。(記事の前編は2025年9月号に掲載されています。)
(気候・エネルギーグループ 小西)



