【COP27】生物多様性デー:気候危機と生物多様性減少の同時解決に向けて


エジプト・シャルムエルシェイクの国連気候変動会議COP27会場より、気候・エネルギーグループの山岸です。

今日は「生物多様性デー」ということで、気候変動問題と生物多様性減少問題の両方に関連するイベントがたくさん開催されました。

今回のCOP27は、気候変動枠組条約の締約国会議であるCOP(Conference of the Parties)ですが、来月12月には、カナダのモントリオールで生物多様性条約の締約国会議であるCOP15が開催予定で、ポスト2020生物多様性枠組という国際枠組みが合意予定です。

同枠組は「生物多様性版のパリ協定」と呼ばれるように、2030年までの国際目標に合意する予定で、中でもカギになるのが「ネイチャー・ポジティブ」、つまり、減少し続けている生物多様性の傾向を反転し、2030年までに回復・増加させていくという目標です。

WWFはこの生物多様性デーに合わせて、IPCC第6次評価報告書の知見から、気候変動と生物多様性の関係を整理した報告書『気候の隠れた協力者(Climate’s Secret Ally)』を発表しました。

こうした連続COP開催という背景もあり、気候変動と生物多様性の同時解決については、機運が大きく高まっています。

会場に来ている人たちを見ても、森林生態系保全、海洋保全、淡水生態系保全分野など、様々な団体が来ており、気候変動のCOPはもはや、気候変動の専門家だけの会議ではない、という印象が強くなってきました。

COP27会場で、世界のリーダーに気候変動の現状を伝える人々。森林減少など気候変動と生物多様性が重複した問題を訴える人が多い

交渉においても、COP全体に関するカバー決定と呼ばれる文書では、生物多様性分野について言及するか、するとしたらどのような文言になるかが交渉されており、来月の生物多様性のCOP15に向けて、後押しとなるような成果が出るのか、注視していきたいと思います。

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自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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