© WWF Japan

東日本大震災から11年 2022年の3月11日に寄せて


皆さまこんにちは。事務局長の東梅です。
東日本大震災から11年目となる2022年の3月11日がやってきました。

WWFを代表し、震災の犠牲になられた方々への哀悼の意を、あらためて表しますとともに、かけがえのない方々を亡くされたご遺族と、そのご友人の皆さまに、心からのお見舞いを申し上げます。

東日本大震災から11年。あらためて振り返ってみると、まだ多くの問題が被災地に残る一方で、日本の社会全体で大きな変化が生じたことを実感します。

環境保全という面でも、それは同じです。

たとえば、気候変動(地球温暖化)に深く関係するエネルギーについては、この10年で、再生可能エネルギーを導入する動きが、急激に加速しました。

私たちWWFは震災直後、2050年までにCO2排出ゼロ、自然エネルギー100%の社会を目指す、科学的な知見に基づいた「シナリオ」を発表。その実現を求めましたが、当時は「現実的ではない」と批判する声の方が大きく、なかなか理解が得られませんでした。

それが今では、2050年のCO2排出ゼロは国の政策目標として、明確に位置付けられるまでになり、どうすればそれが実現できるのか、たくさんの企業からその具体的なアドバイスを求める声が、WWFに寄せられるようになっています。

海洋保全においても、この10年余りの間に、素晴らしい取り組みが被災地の海から誕生しました。

宮城県南三陸町の戸倉地区のカキ養殖業者の方々が実現した、ASC認証の取得です。
ASC認証は、環境や人権に配慮した、持続可能な養殖に与えられる国際認証で、この戸倉の事例は日本で初めての取得例となりました。

これは、震災復興と自然保護、そして地域の産業の発展という3つの取り組みを綜合し、見事に成功させた取り組みとなったのみならず、これからもっと広げてゆかねばならない、SDGsの模範ともいうべき、大きな学びと成果をもたらしてくれるものでした。

今、世界は2030年に向けて、生物多様性の保全と回復を約束し、その実現を目指そうとしています。

私たちは、この震災をきっかけに始まった、さまざまな社会の変化を、明るく、確かな未来につなげていかねばなりません。

それは、今を生きる世代の責任であり、震災を決して忘れない、私たちの強い意志でもあります。

私たちはこれからも、さまざまな分野で未来をリードする多くの方々と協働しながら、2030年を目指し、新しい挑戦を続けていきます。

皆さまにおかれましてはぜひ、WWFと共に歩み、サステナビリティと、自然との共生をめざす取り組みの広がりに、ご理解とご尽力をいただきますよう、心よりお願い申し上げます。

この記事をシェアする

事務局長
東梅 貞義

国際基督教大学教養学部理学科卒業(生物専攻)。英国エジンバラ大学修士号(Master of Science)取得(自然資源管理専攻)
1992年WWFジャパンに入局以降、日本全国各地の重要湿地の保全活動に携わる。
2019年からはシニアダイレクターとして、WWFジャパンが手掛ける地球環境保全活動全般を統括。
2020年7月 WWFジャパン事務局長就任
座右の銘は、Together possible 「一緒なら達成できる」

自然保護に取り組み30年近く。これまでのフィールドは、日本では南は石垣島のサンゴ礁から、北海道の風蓮湖まで、世界ではペンギンの生きる南米の海から、極東ロシアのトラの森、渡り鳥の楽園の黄海、そしてミャンマー・タイの東南アジア最大級の手つかずの森まで。野生生物と人の暮らしが交差する現場で、現地の人々や研究者、グローバル企業、国際機関の方々とご一緒に、自然保護と持続可能な未来を目指して日々取り組んでいます。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP