【抄訳】アマゾン大豆モラトリアム維持求め、市民社会・NGOが連携し圧力強化
2026/04/01
注)本資料は、ブラジルのWWFオフィスであるWWF-Brazilが、Mighty Earthを含む他の市民社会団体と連名で、2026年2月9日に発表したオープンレター「Global coalition ups pressure to save Amazon Soy Moratorium」の日本語抄訳版であり、当資料の内容および解釈については原文(英語)が優先されます。
原文は以下URLからご確認ください。
https://mightyearth.org/article/global-ngo-coalition-calls-for-urgent-collective-action-to-save-amazon-soy-moratorium/
大豆消費における小売企業、メーカー企業、食肉・乳業企業を含むすべての需要家は、アマゾン大豆モラトリアムを堅持すべき
本公開書簡の署名団体である私たちは、直接および間接の大豆購入者に対し、自社の大豆サプライチェーンが自然環境における森林破壊および土地転換と無関係であること、またアマゾン大豆モラトリアム(以下、ASM(Amazon Soy Moratorium))の基準を遵守しないトレーダーからの調達を行わないことを徹底するよう、公に、かつ緊急に要請します。本書簡は、食肉・乳業企業、飼料メーカー、小売業者、金融機関、市場運営者を含む、欧州、北・南アメリカ、中国のすべての大豆最終需要者に宛てられています。今や、皆様の責任は極めて重要です。
EU森林破壊規則(以下、EUDR)に関する政治的後退、そしてアマゾン大豆モラトリアムを弱体化させる前例のない動きという重大な局面において、直接・間接の大豆利用者はもはや傍観者という立場を取り続けることはできません。皆様の決断と市場からの期待が、約20年にわたるアマゾン保護の進展を守るのか、それとも後退させるのかを決定づけます。
主要大豆トレーダーがASMからの離脱を発表したことによって、アマゾンにおける森林破壊低減のために苦労して勝ち取った成果が帳消しになるという重大なリスクに、私たちは直面しています。ASMは、2008年7月以降にアマゾン・バイオームで森林破壊された土地からの大豆を調達しないという企業による自主的なコミットメントであり、多くの国際機関、大豆購入者、金融機関が支持してきました。これは、気候およびサステナビリティ目標に大豆サプライチェーンを整合させる最も効果的な仕組みの一つとして長年認識されてきました。
2026年1月初旬、ADM、Amaggi、Bunge、Cargill、COFCO、Louis Dreyfus Company などの大手コモディティトレーダーを代表する業界団体ABIOVEは、ブラジル・マットグロッソ州における政策変更を受け、ASMからの撤退を発表しました。同州では、ブラジル国内法を超えると見なされる環境基準を伴った新規投資案件に対して、税優遇措置が撤廃されました。
この決定は、重大な環境的後退を意味します。森林破壊を防止するための最も効果的な手段の一つであるASMを弱体化させることは、アマゾンの生態系および地域社会を気候リスクの拡大にさらします。アマゾン環境研究所(IPAM)によると、ASMが失われれば、2045年までにアマゾンの森林破壊が最大30%増加する可能性があります。ASMの撤廃は、違法森林破壊を効果的に特定してきた監視システムの崩壊にもつながり、これはサプライチェーン全体の法的・経済的リスクを高めます。なぜなら、ASMに遵守していない農場は適切な許認可を持っておらず、国内森林法に違反した農場であることが多いからです。
約20年にわたる証拠は、ASMが既に転換済みの土地へ大豆拡大を誘導し、原生林から遠ざけることで機能してきたことを示しています。ABIOVEによれば、その間アマゾン・バイオーム内の大豆栽培面積は4倍以上に拡大しました。ASMの崩壊は直接的・間接的な大規模森林破壊を引き起こし、生物多様性、気候安定性、農村の生計を脅かします。また、気候危機を加速させ、大豆利用企業が森林破壊ゼロのコミットメントや気候目標を達成することを困難にします。大豆購入市場による強力かつ協調的な対応がなければ、アマゾンそのものが危機に瀕します。
ASMは、EUDRなどの主要法規制が求める基準を満たす上で有用な手段であり、企業のデューデリジェンス義務の履行と大豆サプライチェーンにおける森林破壊リスク低減を支えてきました。長年にわたり、大豆購入企業や金融機関は、その実施をトレーダーに委ねることでASMを支持してきましたが、その結果、政治的意思の変化に対して脆弱となり、法制度としての整備や規制化が十分に進まず、長期的な森林保護やランドスケープ・レベルでのインセンティブ強化を確保する力が限定されてきました。しかし、その局面は過ぎました。今やリーダーシップとは、自社のサプライチェーンにおいて何を受け入れ、何を受け入れないのかを明確に示すことです。私たち署名団体は、その対応を厳格に注視します。
私たちはすべての大豆最終需要者に対し、以下を通じてリーダーシップと緊急性を示すよう求めます:
- ASMのコミットメントを引き続き支持し、大豆起因のアマゾン森林破壊に関連した畜産製品(飼料用途)を受け入れないことを再確認すること
- 森林破壊における2008年7月のカットオフ日の堅持、農場レベルでの完全なトレーサビリティ確保、合法・違法を問わず森林破壊の全面的な排除を企業方針に明確に記載すること
- CEO対CEOの書簡を通じて、大豆トレーダーにASMと同水準となる調達基準の維持を共同で要請すること
今取られる行動によって、大規模な大豆起因の森林破壊が再び拡大するのか、それともこの重大な局面でアマゾンが守られるのかが決定づけられます。
これは大豆サプライチェーンにおける企業責任の重大な分岐点です。本来であればセラードなど他のバイオームにも保護を拡大すべき時に、アマゾンに関する企業コミットメントを後退させることは容認できません。ASMを堅持するための断固たる行動は、皆様の環境コミットメントと完全に整合し、気候調整および生物多様性にとって極めて重要な世界有数の生態系を守る上で不可欠です。
選択は明確です。今こそASMを守る行動を取るのか、それとも政治的・商業的圧力によってそれを解体させるのか。この後退はほんの始まりに過ぎません。後退を容認しないという明確な需要シグナルを送るため、強固で協調的な対応が求められます。
アマゾンのために、共に。
署名団体:
- Mighty Earth
- Global Witness
- Greenpeace Brazil
- Rainforest Foundation Norway
- Imaflora
- ICV
- Envol Vert
- Canopée Forêts Vivantes
- WWF-Brazil
- Stand.earth



