「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律」施行規則案に対する意見の提出

この記事のポイント
WWFジャパンは、「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律(以下、水産流通適正化法)」に対し、以下のパブリックコメントを提出いたしました。本法律は2022年12月より実施される予定ですが、WWFジャパンは、世界のIUU漁業撲滅のため、将来的に全魚種を法律対象種に拡大することを見据え、しっかりとした法律の実施体制を確立することが重要だと考えます。

水産流通適正化法に対するパブリックコメント

世界の水産資源が長期的な減少傾向にある中、違法・無報告・無規制(IUU)漁業は、水産資源の持続可能な利用や海洋生態系の保全に深刻な影響をもたらすのみならず、強制労働などの人権侵害も引き起こしています。さらには、網や仕掛けなどの漁具の意図的な投棄や放棄によりゴーストギアの温床や海洋プラスチック汚染の原因となることも分かってきています。
水産物輸入額においてEU、米国に次ぐ第三位の日本では、輸入水産物の約30%がIUU漁業由来との指摘もあり、IUU漁業は持続可能な水産資源の利用にとって大きな脅威です。
IUU漁業を撲滅することは、持続可能な開発目標(SDGs)14.4や2019年6月開催のG20大阪サミットで採択された首脳宣言にも明記されていることから、国際的な課題と言えます。
また、日本国内においても、近年はアサリやワカメの産地偽装や大間産クロマグロの漁獲データの無報告が報道されるなど、水産物の信頼性が大きく揺らいでいます。
こうした中、IUU 漁業による漁獲のおそれが大きい水産物の輸入・流通を防止するための「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律(以下、水産物流通適正化法という)」は、日本国内だけでなくIUU漁業根絶を目指す多くの国々がその法律の効果に期待しております。

WWFジャパンは、この水産物流通適正化法の効果を最大限高めるため、法律施行規則案を以下のように修正することを提案します。

1. 今後、国産品(第一種)、輸入品(第二種)ともに対象魚種の追加を行い、将来的に養殖魚も含めて全魚種を対象とすることを目指し、加速度的に魚種の拡大をはかること。なお、特にリスクが高いと思われるマグロ・カツオ類およびウナギ成魚およびシラスウナギ(第二種のみ)を早急に対象魚種に加えるよう、議論を開始すること。

2. 水産物取引における電子化を一層促進し、漁獲データと取引データが一元管理される体制を構築することにより、産地偽装や漁獲データ未報告といった問題を防ぐこと。

3. 輸入品である第二種において、奴隷労働などの人権侵害を犯した漁船で漁獲されたマグロなどの水産物の流通を防ぐための規制を、EUや米国などの諸外国と協力して導入すること。

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