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環境NGOグループ、大規模バイオマス発電の中止を求める共同声明発表

この記事のポイント
温室効果ガスの排出削減に寄与する燃料として、注目が高まっているバイオマス。しかし、バイオマス燃料への需要の高まりは、木質やパーム油といったその原料の生産地で、森林破壊などの環境問題や、地域社会への悪影響を引き起こす恐れがあるだけではなく、化石燃料と比べてもより多い温室効果ガスの排出に繋がるリスクがあります。2020年12月3日、国際環境NGO FoE Japanなど国内外32の環境NGOが共同声明を発表し、燃料を輸入する大規模バイオマス発電について、「生物多様性を脅かし、気候変動を加速させる」として、中止を求める声明を発表しました。WWFは賛同者として名を連ねているわけではありませんが、本声明には重要な指摘が含まれていると考えます。

バイオマス発電が「生物多様性を脅かし、気候変動を加速させる」?

2020年12月3日、国際環境NGO FoE Japanなど国内外32の環境NGOが共同声明を発表し、燃料を輸入する大規模バイオマス発電について、「生物多様性を脅かし、気候変動を加速させる」として、中止を求めました。WWFジャパンは、本声明に賛同団体として名前を連ねてはいませんが、本声明には重要な指摘が含まれていると考えます。

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声明では、近年、木質ペレットなどの輸入バイオマス燃料が急増していることをうけ、生産地における自然林の伐採など生態系への影響、さらには、森林や土壌が蓄えている炭素ストックの減少をもたらしていることを指摘。

また、海外産の燃料は輸送の際に温室効果ガス(GHG)を排出しているとし、「GHG排出の削減が見込めないような事業、森林の減少・劣化を伴うような事業は、すでに認定されているものも含めて、FITの対象から除外するべき」と主張しています。

© WWF-US / Zachary Bako  

木質

バイオマス発電なら、環境によい?

WWFジャパンは、温室効果ガス排出量削減に向けて、再生可能エネルギー利用を拡大していくことは大切だと考えます。

しかし、バイオマス発電の場合は、太陽光や風力と違い、エネルギーを作り出すために燃料を供給し続ける必要があります。利用する燃料が化石燃料と比べて大幅な温室効果ガスの削減に繋がっているか、という点が非常に重要なのです。

その燃料が生産される過程で森林破壊や森林・泥炭火災が引き起こされていないか、燃料の加工や輸送、燃焼時に発生する温室効果ガスを計算に入れても有意な排出削減効果があるか、といった点を十分に確認する必要があるでしょう。

根拠なく「バイオマス発電なら、環境にいいだろう」と考えることに対してWWFジャパンは強い懸念をもっています。

今回の声明で懸念されている、「生物多様性を脅かし、気候変動を加速させる」バイオマス燃料が容認されることがないよう、政府や企業の動きを今後も慎重に見守っていきます。

バイオマス燃料の持続可能性を求めるWWFジャパンのこれまでの活動

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