「EARTH HOUR 2021(アースアワー)」開催報告

この記事のポイント
2021年3月27日、WWFが主催する世界規模の環境アクション『EARTH HOUR(アースアワー)』が実施されました。現地時間の午後8時30分から1時間を消灯することで「地球温暖化を止めたい」「地球環境を守りたい」という意思表示をするイベントです。2021年は続くコロナ禍の影響もあり、オンライン主体の実施となりましたが、世界192の国と地域が参加。日本では2,259の施設がEARTH HOURに参加しました。

世界192の国と地域が参加

毎年、3月下旬に世界中の人々が、現地時間の20時30分から21時30分までの消灯アクションを通じて「地球環境を守りたい」「地球温暖化を止めたい」という想いを示すイベント『EARTH HOUR(アースアワー)』。2007年にオーストラリアで始まり、年々規模を拡大し、今年は過去最多の192の国と地域が参加しました。

20時30分からのEARTH HOURを最初に迎えたのは、南太平洋に位置するサモア。そこから地球をぐるりと一周する形で、東京スカイツリー®、東京タワー、台北101(台湾)、ヴィクトリア・ハーバー(香港)、ブランデンブルク門(ドイツ)、エッフェル塔(フランス)、サン・ピエトロ大聖堂(バチカン市国)、コロッセオ(イタリア)、ガーデンズ・バイ・ベイ(シンガポール)、オペラハウス(オーストラリアなど世界的に著名な施設が消灯に参加し、仏領ポリネシアで消灯リレーを終えました。

2021年は、昨年に引き続き世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により、イベント会場を設けての実施ができない状況でしたが、日本を含む多数の国で、オンラインでの番組配信やSNSを通じてメッセージを発信し、42カ国でTwitterとGoogleのトレンド入り。世界中の人々と共に地球環境を守りたい想いを繋げたEARTH HOURとなりました。

世界各地の参加の様子

オーストラリア
©WWF-Australia

オーストラリア

ジョージア
©Ika Khargelia

ジョージア

中国 
©WWF-China

中国

フランス 
©WWF-France

フランス

イタリア 
©Emanuele Coppola / WWF-Italy

イタリア

オマーン 
©Khalid Al-Busaidi

オマーン

日本の参加の様子

五稜郭タワー(北海道) 
©五稜郭タワー

五稜郭タワー(北海道)

クロスランドタワー(富山)
©(公財)クロスランドおやべ

クロスランドタワー(富山)

東京駅
©WWF Japan

東京駅

東京タワー 
©WWF Japan

東京タワー

東京スカイツリー® 
©WWF Japan

東京スカイツリー® 

横浜みなとみらい地区(神奈川県) 
©WWF Japan

横浜みなとみらい地区(神奈川県) 

原爆ドーム(広島県) 
©WWF Japan

原爆ドーム(広島県)

鹿児島市役所 
©WWF Japan

鹿児島市役所

全国2,259の施設が参加

EARTH HOUR2021では、国内で過去最多となる2,259カ所の施設やモニュメント、企業が参加。昨年の1,755カ所から504カ所の増加となりました。

東京スカイツリー®、東京タワー、広島城、平和記念公園、横浜みなとみらい地区、北海道の五稜郭タワーをはじめ、オフィスや動物園・水族館、店舗などが多数、消灯に参加しました。

初めてのオンラインイベントを実施
コロナ禍の影響のもと、昨年はオンラインイベントを含む全ての企画が中止となりましたが、2021年はEARTH HOUR当日に東京・横浜・広島でオンラインイベントを実施しました。これは、日本で行うEARTH HOUR としては初めての取り組みとなります。

東京では、外部ゲストの方々もお招きして「EARTH HOUR in Japan Special Talk Event」を開催。「コロナ禍からのグリーン・リカバリー」をテーマに、野生動物、気候変動、エシカルファッションについてトークセッションを行いました。

総合司会はWWF顧問の前田智子さんに勤めていただきました

総合司会はWWF顧問の前田智子さんに勤めていただきました

動物写真家でWWF顧問でもある岩合光昭さんをお迎えした「動物たちから見た地球」のセッションでは、長年、世界各地の大自然の中で野生動物を撮影してこられた岩合さんの作品を拝見しながら、岩合さん自身が感じられた自然や野生動物の変化や危機についてお話いただきました。WWFジャパンのスタッフからは、野生動物のすむ国立公園などで密猟などを取り締まるレンジャー(自然保護管)の活動がコロナ禍で思うように進まないこと、エコツアーなどの観光収入が得られなくなったことによる影響などについてご説明しました。

岩合光昭さんには、ご滞在先の京都からご出演いただきました。

岩合光昭さんには、ご滞在先の京都からご出演いただきました。

「エシカルファッションと私たちの暮らし」のセッションでは、エシカルファッションプランナー/一般社団法人unisteps共同代表の鎌田安里紗さんに、身近な衣料品の生産・流通・廃棄の過程でおこる環境負荷について幅広くお話いただき、WWFジャパンからは、通販部門パンダショップの担当者が商品選定の基準やオーガニックコットンの認証制度などについてお話をしました。

エシカルファッションプランナーの鎌田安里紗さん

エシカルファッションプランナーの鎌田安里紗さん

今回のイベントのテーマとなった「グリーン・リカバリー」について深堀するセッションは、ウェブメディア ELEMINIST編集長の深本南さんをモデレーターに迎え、WWFジャパンのスタッフがコロナ禍からの経済復興をいかにサステナブルな形で実現するか、欧州の動向なども含めてお話をしました。

また、本イベント内ではJ-WAVEスペシャルトークとして、アーティストの宮沢和史さんをお迎えし、ゆかりの地「沖縄」への思い、そしてコロナ禍を経験する中で、現在の自身の心境を強く表現したという、ニューアルバムの制作の裏側などについてお話をいただきました。

宮沢和史さんにはリモートでご出演いただきました。

宮沢和史さんにはリモートでご出演いただきました。

オンラインで国内外と中継を実施

今回のEARTH HOUR 2021オンラインイベントでは、横浜、広島、鹿児島、三重、沖縄、シンガポールと、国内外各地と中継を結び、各地で想いをひとつにEARTH HOURに参加する様子を視聴者の皆様とリアルタイムで共有することができました。

EARTH HOUR 2021 in YOKOHAMA

横浜では2014年からEARTH HOURイベントを実施してきました。2021年は、公式に実行委員会を設立し、地元の若者たちを中心にした、連続プレセミナー、当日オンラインイベントなどを実施するなどの形でひろく消灯を呼びかけた結果、過去最多となる、167施設が参加しました。

EARTH HOUR の当日である3月27日(土)、11時から消灯開始の20時30分すぎまで、YouTubeライブ、Facebookライブにより、横浜市役所アトリウムをメイン拠点として、無観客・配信プログラムを構成。大学生、企業、小学校、地元若者団体など、横浜のさまざまな人・団体の取り組みの紹介や意見などを発信しました。

EARTH HOUR 2021 ひろしまEarth & Peace

広島では、地元のNPO、行政、企業関係者などが中心となって毎年EARTH HOURイベントを実施しています。2021年は、EARTH HOUR当日に平和記念都市・広島の原爆ドームの消灯に合わせて、演奏を聞きながら静かにEarth & Peaceを考えるイベントをオンラインで実施しました。ヴィクトワール広島・中山監督を講師に迎えての環境教室と地元の実力派アカペラグループひなたの音楽パフォーマンスをお届けしました。

EARTH HOUR WEEKSの取り組み

WWFジャパンでは、EARTH HOUR 当日に先駆けて3月1日~26日を「EARTH HOUR WEEKS」と名付けて、EARTH HOUR への参加を広く呼びかけるキャンペーン期間と位置付けています。2021年はメディアの方々のご協力を得てオンラインでの施策に注力しました。

「渋谷のラジオ」とのコラボレーション

渋谷のコミュニティラジオFM87.6MHz渋谷のラジオ「渋谷とあなた」とコラボレーションし、3月1日から27日のEARTH HOUR WEEKS期間中、EARTH HOUR 2021特別バージョンで連日放送していただきました。渋谷の街にいる方や渋谷のラジオパーソナリティの皆さん、WWFジャパンスタッフやEARTH HOUR2021サポーターズの皆さんにご出演いただきました。さまざまな視点から「地球環境のためにできること」を考えるメッセージをお寄せいただき、音楽と共にお届けすると同時に、EARTH HOURの紹介や環境のメッセージ、消灯宣言、オンラインイベントへの参加を呼びかけました。

体験シェアサービス「TABICA」とのコラボレーション

3月20日(土)には、「好き」でつながる体験シェアサービス「TABICA」とコラボレーションし、TABICAのコンテンツである「親子でサステナブルオンラインスクール」をEARTH HOUR WEEKSの一環として開催していただきました。WWFジャパンからもアースアワー担当者が登壇し、野生動物と環境の危機についてお話すると同時に、「誰でもできるアクション」のひとつとしてEARTH HOURについて紹介し、消灯を呼びかけました。また、TABICA様からは当日参加者の方々から得た参加費、および「応援代」の一部を募金していただきました。

WEBメディア「ELEMINIST」とのコラボレーション

また、エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドするウェブメディア「ELEMINIST」とコラボレーションし、3月20日にはインスタライブを実施しました。ELEMINIST編集長の深本南さんの司会進行のもと、WWFからEARTH HOURの概要や歴史をご説明したあと、EARTH HOUR 2021サポーターズの井田寛子さん、前田智子さんにご登場いただき、EARTH HOURへの想いを語っていただきました。

これらのほかにも、EARTH HOUR をまだ知らない方に、広くこの取り組みを知っていただくために、EARTH HOUR のロゴ「60+」マークにちなんだ60体のパンダのぬいぐるみを親善大使に、セルフィーと環境メッセージをSNSにリレー投稿する企画「旅する60パンダ」や、SNS新規フォロワーを対象にしたプレゼントキャンペーンなども実施しました。

今回のEARTH HOURにご参加くださった皆さま、実施にご尽力を頂いた関係者の皆さまに、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

EARTHHOUR 2021 in Japan実施概要

実施日時:2021年3月27日(土)
※EARTH HOUR WEEKS : 2021年3月1日~26日

主催:公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)

共催:EARTH HOUR 21 in YOKOHAMA実行委員会(横浜開催のみ)、横浜市(横浜開催のみ)、NPO法人Heart of Peaceひろしま

後援:環境省、消費者庁、渋谷区、墨田区、東京都環境局、広島市、広島県(広島開催のみ)

特別協賛:ソニー株式会社、日産自動車株式会社、パナソニック株式会社

協賛:キリンホールディングス株式会社、西武造園株式会社

協力:マツダ株式会社

メディアパートナー:ELEMINIST(エレミニスト)、J-WAVE(81.3FM)、渋谷のラジオ

EARTH HOUR 2021 サポーターズ:いが☆グリオ(三重県伊賀市観光大使)、井田寛子、岩合光昭、鎌田安里紗、シャンシャン&シンシン&リーリー、千葉ジェッツふなばし、前田智子、横浜F・マリノス

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