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あなたの蒲焼はウナギですか 「土用丑の日」に寄せて


今日7月27日は、夏の土用丑の日。1年で1番暑いとされるこの時期にめぐってくるこの日を楽しみにしている方もいらっしゃるでしょう。この日にウナギを食べる、江戸時代から始まったとされる風習ですが、最近はこのウナギが獲れなくなっています。

ニホンウナギ 2018年12月~2019年4月の漁期のシラスウナギの漁獲量は、過去最低でした<br>
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ニホンウナギ
2018年12月~2019年4月の漁期のシラスウナギの漁獲量は、過去最低でした

私たちが日本で食べているウナギ、この99%はなんと養殖で育てられたウナギです。

養殖は、育てるスピードを設定できるので、土用丑の日の前後に向けて出荷できるように設定されています。多くは、11月頃~1月にとられた子どものウナギ(シラスウナギといいます)を半年間ほど育てる方法がとられています。

半年ほどで育てられる養殖のウナギ、皆さんは、ウナギの生きる年月を知っていますか。

実はウナギは10数年くらいの寿命を持つ生物です。日本に生息するニホンウナギは、西マリアナ海嶺付近で生まれ、長さ約5cm、重さ約0.2gの白っぽい透明のシラスウナギの頃に、日本の沿岸まで海流に流されてやってきます。

その後、川を上り、7~10年程度、川で成長します。そして、成熟し、川を下って海に向かい、一度だけ産卵をして一生を終えます。

ニホンウナギの回遊経路 (出典:水産庁(2018)「ウナギをめぐる状況と対策について(平成30年6月)」をもとに作成)<br>
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ニホンウナギの回遊経路
(出典:水産庁(2018)「ウナギをめぐる状況と対策について(平成30年6月)」をもとに作成)

養殖のためには、子どものウナギを獲り、養殖池に入れます。その漁獲量は、年々減少しています。

2014年、ニホンウナギは、IUCNのレッドリストで、絶滅のおそれのある野生生物に指定されています。

なまずにさば、鮭、さばの蒲焼き 土用丑の日に食べる蒲焼きの代替品のレパートリーも増えています。
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なまずにさば、鮭、さばの蒲焼き
土用丑の日に食べる蒲焼きの代替品のレパートリーも増えています。

その大きな原因に、私たちの消費を支えるための乱獲、つまり獲りすぎ、が挙げられます。ウナギという生物の再生産のペースを上回る早さ・多さで獲っているということです。

今日の土用丑の日、このようなウナギの現状と、ウナギを食べ続けられるために、今、私たちが選択すべきことについて、1人1人が考えてみませんか。
(自然保護室 滝本)

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自然保護室(海洋水産)
滝本 麻耶

デンマーク オーフス大学政治学科留学、慶應義塾大学法学部政治学科卒(法学士)、ドイツ アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク大学院環境ガバナンス修士号取得。
大学・大学院にて、環境政策・環境ガバナンスについて学び、編集者、環境コンサルタントを経て、サイエンス・コミュニケーションの経験を積む。2017年WWFジャパンに入局。海洋水産グループにおいて、海洋環境保全や水産資源保護に向けて、消費の側面にフォーカスしたパブリックアウトリーチの取組みを行っている。

子どもの頃、ケージ飼いの養鶏場を見たことがきっかけで、自分が食べるもののこと、そして、自分がどんな世界・社会で生きたいんだろうと考え始め、環境哲学、環境政策、政治のことを学びました。大事にしているのは、大きく早く多くなるだけでなく、小さく遅く少なくなる「発展」もあるという考え方。この考え方をベースに、自分が生きたい環境がなくなってしまわないよう、頑張ります。

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