日本固有種アユモドキが国際的な絶滅危機種に指定へ!


草刈です。
世界で近畿地方の2カ所にしか生息していない、日本固有の淡水魚アユモドキが、来週、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに、絶滅危機種として指定される見通しになりました。

絶滅危機種の三つのレベル(CR、EN、VU)のうちどのランクになるのかは、今のところまだ分かりません。

しかし、これまでレッドリストでDD(データ不足)とされていたアユモドキが、明らかに絶滅の恐れが高い野生生物として、国際的な見地からも保全が求められることは、その保護上、大きな前進です。

アユモドキ。川底などに生息し、雨の季節に水田や農業水路に移動。ヨシやアシ、稲などの根本で産卵する。

現在、その貴重な生息地の一つがある京都府亀岡市では、京都スタジアム(仮称)の建設が計画されており、これが実現するとアユモドキは深刻な打撃を受けることが懸念されていますが、ここでの保護活動を後押しするものになることも期待されます。

今回のレッドリストの評価は、日本の淡水魚の研究者が、あらためてアユモドキの危機的な現状をIUCNに対して報告し、世界の淡水魚スペシャリストグループの審査を得て、その内容が認められたことにより実現しました。

アユモドキの生息地

私たちも今回のIUCNの評価内容を確認次第、近日中に再度、京都府に対しスタジアム建設計画の白紙撤回を求める意見書を出す予定です。

アユモドキは、世界の中で日本にのみ生き残ってい生きもので、次の世代に引き継いでいくべき大切な自然の一部です。

それを守ることは、日本が世界に対して負っている、大事な責任に他なりません。

近いうちにまたご報告が出来ると思いますので、意見書の内容共々お伝えしたいと思います。

京都スタジアム(仮称)の建設予定地

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自然保護室 国内グループ所属
草刈 秀紀

日本の自然保護にかかわる法制度の改善をめざす取り組みを行なっています。

子どもの頃から動物が好きで、農業者でもないのに農業高校の畜産科に行き、上京して大学時代に多くの自然団体の会員になりました。野生のエルザのゲームワーデンにあこがれ、32年前に職員になりました。最近は、永田町を徘徊しています。

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