ワシントン条約会議で、サイガ保護の10の取り組み合意


皆さん「サイガ」という動物をご存知でしょうか?

大きな鼻が特徴的で、オスだけに角がある、そのユニークな姿は一度見ると忘れられません?!

このサイガは今、絶滅の危機にあり、IUCNのレッドリストでもCR(近絶滅種)とされています。

生息しているのは、カザフスタンやモンゴル、ロシアの一部地域などの中央アジアの草原地帯。

サイガ(Saiga tatarica)ウシ科ヤギ亜科サイガ属の草食獣で2亜種が知られています。

現地ではブッシュミート(野生生物の肉)として利用されているほか、国際的には角が伝統薬に利用されるため取引されてきました。

特に角は、アジアで多く利用されていて、サイガの密猟を増やす要因のひとつになっています。

また日本ででも、サイの角の取引が世界で禁止された後、その代用品とされています。

サイガの角

野生生物の過剰な利用を防ぐため国際取引を規制する「ワシントン条約」では、1995年にサイガを附属書 II に掲載。その後もサイガの保護について、議論を続けてきました。

そして、ちょうど今開かれているワシントン条約の締約国会議(COP17 )の会場から、サイガ保護の手立てとなる10項目の提案が、新たに合意された、というニュースが飛び込んできました!

これにより、今も伝統薬利用のためサイガの角を輸入している日本をはじめ、角を利用している国々は、在庫の管理や調査の強化を求められることになります。

昨年カザフスタンではサイガが原因不明のまま大量死する事件が起きましたが、このように野生の動物たちには、突発的な脅威が降りかかることもあります。

そうした時の影響なども考慮しながら、野生生物の保護や利用の在り方を考えなければなりません。

今行なわれているワシントン条約会議は、そうした視点で取り組まれている国際交渉の一つです。

この会議で何が決まるのか。その結果、何が変わることになるのか。注目したいと思います。(トラフィック:西野)

サイガが生きる中央アジアの草原(カザフスタン)

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森林・野生生物室 野生生物グループ TRAFFIC
西野 亮子

学士(芸術文化)
2009年よりTRAFFICにて広報分野を中心に従事し、イベント運営、出版物作成などワシントン条約に関する普及啓発に努める。2016年からは重点種(特に注力すべき種)プログラム推進に携わり、取引を中心とした現状調査を担当。2018年以降は、関係する行政機関や企業へ働きかけ、取り組み促進を促す活動に従事し、野生生物の違法取引(IWT)の撲滅、持続可能ではない野生生物取引削減を目指す。ワシントン条約第70回常設委員会参加。東京都象牙取引規制に関する有識者会議委員(2022年3月終了)

「野生生物を守る」ことを起点に、そこに暮らす人、その場所の環境、そして利用する側の意識、すべての段階で取り組みが必要です。生息地から市場まで、それらを繋ぐことが私の役割です。

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