田んぼの生物多様性保全を目指した農業を支える!新米の販売がスタート


2021年10月15日、WWFジャパンが農業者および企業と協働で取り組む、「生物多様性に配慮した米づくりプロジェクト」で生産された、新米の販売が開始されました。

2021年8月23日に正式に発足したこのプロジェクトは、次の3つの主体が協力することで実現した取り組みです。

  • WWFジャパン:2017 年より九州・有明海沿岸域で水田の生物多様性保全活動を展開
  • 「シギの恩返し米」プロジェクト推進協議会:佐賀県で渡り鳥などの保全に配慮した米作りを推進
  • 株式会社サザビーリーグ:お米に焦点を当てたライフスタイルショップ「AKOMEYA TOKYO」を経営

今では希少になってしまった、水田や水路に生息する淡水魚や、水生昆虫などの野生生物を保全するためには、こうした生物が生きられる自然環境を残した形で、コメ作りを続けていくことが必要です。

そこで、このプロジェクトでは、生産現場の農業者と、消費や小売りにかかわる企業の関係者を結び、生産・販売したお米の収益を、自然や生きものに配慮した農業の推進に充てる、という循環した取り組みづくりに挑戦。

WWFの水田保全活動をご支援くださった、多くのサポーターの皆さまの支えにより、実現することができました。

2021年の新米は10月15日、AKOMEYAの通販サイトなどで、いよいよ販売開始。

日本ならではの貴重な水田環境の保全を目指す、新たな取り組みのステップとして、自然保護の現場と消費者を結ぶお米が、どのように受け止められるのか。

しっかり注目し、プロジェクトの促進につなげていきたいと思います。

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自然保護室(淡水 グループ長)
並木 崇

学士(環境情報学)。
前職ではランドスケープ設計事務所で、植物園や公園などの計画・設計に従事。都市公園コンクールなど受賞。2016年9月からWWFジャパンで有明海沿岸域の水田地帯におけるプロジェクトを担当し、2020年7月より現職。持続可能な農業の普及を通じた水環境の保全活動を推進。大学関係者、行政、企業、農業者のネットワークを活かした活動に取り組んでいる。

スポーツと自然の中で過ごすのが好きな子どもでした。大学で環境や建築を少し学んで、ランドスケープ(造園)の道へ。生きもののことを考えつつ土や石、水を取り扱うものづくりは楽しかったです。ものづくりだけではなく世の中の仕組みにも関心が高まってWWFへ。あきらめずに進んで行きたいと思います。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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