日本企業100社が参加!SBTが世界のスタンダードに
2020/07/03
気候危機担当の池原です。
2020年6月、SBTi(Science Based Targets initiative)に参加する日本企業が100社に達しました。SBTiは、企業がパリ協定と整合した高いレベルの排出削減目標を掲げることを求める国際イニシアチブです。WWFをはじめ、国連グローバル・コンパクト、CDP、WRIによって共同で創設され、2015年より企業からの申請目標の審査を開始しました。
世界のSBT参加企業900社あまりの中で、日本企業(100社)は米国(160社)に次ぐ規模となっており、この分野では世界をリードする存在です(2020年6月末時点)。
実は2019年10月、SBTiは削減目標のクライテリアを引き上げました。従来は、「2度」レベルの目標も認めていましたが、現在は「2度」レベルでは承認が得られず、「1.5度」レベルの目標とすることが推奨されています。
このクライテリア引上げによって、SBTのハードルが一段と高まり、取り組む企業が減少するのではないかと危惧していました。ところが実際には、SBTiから承認を取得する企業の増加はむしろ加速しています。2019年11月以降、つまりクライテリアの引き上げ後、現在までに承認を取得した企業は計127社で、これは2015年の審査開始当初からの累計399社の32%に相当します。
引き上げ以降のわずか8ヶ月間での承認企業数が、過去5年間の1/3を占めている計算となります。SBTが世界のスタンダードになっている証といえます。
SBTiでは今後、金融や化学などの業種でも目標設定の方法論が順次整備されていきます。承認を取得する業種や企業の数も、さらに拡大していくことが期待されます。