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開発!


自然破壊や絶滅の危機。
その最大の原因とは何でしょうか?

生物多様性条約のもと、1995年に日本で初めて策定された「生物多様性国家戦略」では、2002年の改定後、次の3つを一貫した要因として挙げています。

まず第3の危機は、人が持ち込んだ外来生物による危機。
日本ではヒアリやアライグマ、ブラックバスなどが有名ですが、植物も実は少なくありません。

第2の危機は、人間活動の縮小による危機。
ちょっと意外かもしれませんが、人の手が入ることで成り立つ里山のような二次的自然が今、山間部の高齢化などにより急激に失われています。

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日本の里山でしか繁殖していない野鳥のミゾゴイ。日本の里山の消失と、越冬地の東南アジアの森の消失により、絶滅が心配されている。

そして第1の危機は?「開発」です。
市街地や交通網、観光などを目的とした開発の拡大。これが、生物の生息・生育空間を縮小・消失させ、生態系の破壊や分断を招く、最大の原因なのです。

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絶滅危機種アユモドキの生息地。日本の京都府と岡山県のごく一部にしか生息していない。京都府の亀岡市ではその貴重な生息地のすぐ近くでサッカースタジアムの建設が進められている

2010年の生物多様性総合評価報告書の評価結果でも「とりわけ開発・改変は、過去において最も大きな(生物多様性の)損失要因であった」という指摘がなされました。

また、2012年の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する点検結果においても、哺乳類、鳥類などどの分類群でも、「生息・生育地の開発」が減少要因として多く挙げられています。
絶滅が心配される野生生物種の53%に、この危機が該当していたのです。

開発は昔から、最も思い浮かべやすい自然破壊の原因かもしれません。
しかし、それは今も変わっておらず、しかもその影響は思った以上に大きいのです。

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インドネシア・スマトラ島の熱帯林開発の現場。自然の森が伐採された跡地には、紙パルプの原料となる木の植林地や、パーム油の原料となるアブラヤシの農園が開発される。

私たちは自然保護団体として、こうした問題に対し、意見書や要望書などを頻繁に発信しています。
自然の摂理を人が乱し、野生生物が消えゆく中、どのように自然を守るべきなのか。それを示せる行動が試されていると思います。(国内グループ 草刈)

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自然保護室 国内グループ所属
草刈 秀紀

日本の自然保護にかかわる法制度の改善をめざす取り組みを行なっています。

子どもの頃から動物が好きで、農業者でもないのに農業高校の畜産科に行き、上京して大学時代に多くの自然団体の会員になりました。野生のエルザのゲームワーデンにあこがれ、32年前に職員になりました。最近は、永田町を徘徊しています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは世界約100か国で活動している
環境保全団体です。

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