菅総理の「リーダーによる自然への誓約」 参加表明を歓迎する ~生物多様性の減少傾向を食い止め、回復に向かわせる具体的な施策実行を~


5月28日、日英首脳電話会談で、菅総理大臣は「リーダーによる自然への誓約:Leaders Pledge for Nature」に参加を表明し、生物多様性、気候、人間のための行動を強化することを宣言しました。WWFジャパンは、日本の総理大臣が「2030年までに生物多様性の損失を反転させる」意思を表明し、世界が直面する危機に貢献することを示した点について歓迎します。

2020年9月の国連生物多様性サミットおいて発足した「リーダーによる自然への誓約」は、持続可能な開発のために、この10年間で自然の損失を反転させるための10の行動をとることを約束するものです。これまでに85ヵ国・地域の首脳たちが、2030年までに生物多様性の損失を回復させることを約束しましたが、G7のなかで米国と日本だけが表明していませんでした。このたびの菅総理の表明は、国際社会の生物多様性回復への潮流に乗ったものと言えます。

すでに2030年までに自然損失の回復を表明している各国は、具体的な実施策を進めつつあります。英国のジョンソン首相は、5年間で気候変動対策資金の少なくとも30億ポンド (約4,400億円)を自然と生物多様性を回復させる活動へ投資すると発表しました。また、カナダのトルドー首相は2025年までにカナダの陸地の25%と海の25%を保護することを表明しています。

WWFジャパンは、菅総理大臣が、生物多様性回復に向けて、以下のような国際的なリーダーシップを発揮することを求めます。
・2021年10月に行われる生物多様性条約締約国会議での2030年国際枠組みを決定するにあたり、「生産と消費の負荷半減」「金融のしくみ変革」を積極的に賛同、実施をリードすること。
・深刻化する海洋のプラスチック汚染に対して、国際協定の枠組みを早期に発足させることを日本政府が支持し、締結に向けた議論を主導すること。

WWFジャパン事務局長の東梅は以下のように述べています。
「菅総理が、この10年間で自然損失の回復を約束したことは、日本の環境政策の大きな前進です。現在、世界は、気候危機の悪化、自然の壊滅的な喪失、パンデミックのリスク増大など、前例のない課題に直面しています。私たちは早急に行動を起こす必要があり、政府、産業界、市民がともにこれらの課題に立ち向かうときです。世界のリーダーたちはこの誓約を支持し、目の前の危機に立ち向かうことが、これまで以上に重要です。WWFジャパンは、菅総理が誓約の内容を速やかに実行し、2021年後半に開かれる生物多様性、食料、気候についての重要な国際会議での決定につなげることを求めます。」


参考:Leaders Pledgeとは
2020年9月に開催された国連生物多様性サミットにおいて、各国首脳など政治リーダーたちが、2030年までに生物多様性の損失を回復させることを約束。これらの指導者たちは、自然、気候、人間が直面する危機を理解し、世界共通の課題を早急に解決するよう、メッセージを発信し、他の国々の参加を呼びかけている。

<主要項目>
・グリーン・リカバリー
・野心的な国際枠組みの実行
・統合的な説明責任の強化
・持続可能な生産と消費への変革
・気候変動対策
・環境犯罪の撲滅
・生物多様性の主流化
・ワンヘルス
・金融の変革
・社会全体との協働

<賛同国 (2021年4月末現在)>
アルバニア、アンドラ、アンティグアバーブーダ、アルメニア、オーストリア、バングラデシュ、バルバドス、ベルギー、ベリーズ、ブータン、ボリビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、カーボベルデ、カナダ、コロンビア、コモロ、コスタリカ、クロアチア、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、ジブチ、欧州連合、エストニア、エチオピア、フィジー、フィンランド、フランス、ガボン、ジョージア、ドイツ、ギリシャ、グアテマラ、ホンジュラス、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イスラエル、イタリア、ヨルダン、ケニア、ラトビア、レバノン、レソト、リトアニア、ルクセンブルク、モルディブ、マルタ、メキシコ、モルドバ、モナコ、モンゴル、モンテネグロ、モロッコ、ネパール、オランダ、ニュージーランド、ナイジェリア、ノルウェー、パキスタン、パラオ、パナマ、パラグアイ、ペルー、ポルトガル、マーシャル諸島共和国、北マケドニア共和国、コンゴ共和国、ルーマニア、サンマリノ、セイシェル、スロバキア、スロベニア、スペイン、スリランカ、セントルシア、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、スウェーデン、スイス、ガンビア、東ティモール、英国、ウガンダ、ベトナム
( 計85ヵ国・地域 )
Leaders' Pledge for Nature

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