延期・簡素化される2020東京オリパラ大会は、持続可能性の取り組み向上を ~不十分な調達の取り組みを改善するチャンス~


未曽有のコロナ禍で世界が揺れる中、2021年へと延期になった東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、簡素化されて実施される方針となっている。不確定の要素が多い中、開催にこぎつけられるならば、東京大会は、その不十分な持続可能性の取り組みを向上させるべきである。

東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、環境や社会に配慮した「持続可能な大会」として実施されることになっている。東京大会の脱炭素に対する取組は高評価に値するものの、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が作成した「調達コード」には多くの課題があることを、WWFジャパンは繰り返し指摘してきた。

特に、大幅な改善が期待されるのは、大会で使用される木材、紙、水産物、パーム油の個別の調達基準である。この問題となる物品の調達は、いずれも国内はもちろんのこと海外の森林や海洋の自然環境の保全に深くかかわるものであり、日本が国際的に責任を問われる重要な点になる。

これらの調達コードが不十分なものになったのは、日本の持続可能性の取り組みが進んでいないために、東京大会で必要となる量の持続可能性の高い物品を調達できないという理由が大きくあったためである。そうであるならば、東京大会が延期となったことによって、持続可能な調達の準備を整えるための時間が1年も生まれたはずである。さらに簡素化されることによって、調達の必要量も少なくなるため、必要な持続可能性が担保された物品のみで東京大会を運営する道も開いたと言える。

コロナ禍から復興していく今こそ、世界と日本の未来社会のために、真に持続可能な調達に向けて歩みを進めるべきである。持続可能な生産が担保された物品の調達を推進することで、自然豊かな社会を次世代に残すことが可能になり、同時に日本企業の今後の国際競争力の向上にもつながる。

簡素化して開催される東京2020は、コロナ禍からの世界の再生のシンボルとして、「人類の希望、くじけぬ力、そして一つとなって取り組む力の象徴」「アスリート、持続可能性、復興、そしてスポーツの持つ力に重点を置き、人類にとってより明るい未来を形作る契機としていく(組織委員会発表)」と力強く謳われている。そう宣言するならば、よりよい持続可能な脱炭素社会へ向けた復興、グリーン・リカバリーを日本が率いて、まず足元の復興のシンボルである東京大会の調達方針から、持続可能性をアップグレードし、真に持続可能な東京2020としていくことこそが求められる。

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