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パリ協定がスタート!求められる目標の引き上げ

この記事のポイント
約200か国が参加して地球温暖化に取り組むことを約束した「パリ協定」は、いよいよ実施段階に入りました。2020年、各国は温室効果ガス排出削減目標などを定めた国別目標(NDC)を見直し、国連に再提出することとなっています。各国にNDC強化が期待される中、日本国内でも企業、自治体、NGOなどから、日本政府に対しNDC強化を求める声が上がっています。その声に政府はどう応えるのか。深刻化する気候危機への姿勢が、今問われています。

2020年、パリ協定がいよいよスタート

求められる国別目標(NDC)の引き上げ

世界のほぼ全ての国が参加して地球温暖化に取り組むことを約束し、2015年に採択された「パリ協定」は、2020年、いよいよ実施段階に入りました。

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パリ協定が採択されたCOP21
©WWFジャパン

パリ協定が採択されたCOP21

パリ協定は、「世界の平均気温上昇を産業革命前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃までに抑える努力をする」という目標を掲げています。
その達成に向け、パリ協定に参加する各国は、温室効果ガス排出削減目標やそれを達成するための対策を国別目標(Nationally Determined Contribution: NDC)として定め、UNFCCC(国連気候変動枠組条約)事務局に提出しています。

しかし、2018年10月にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が発表した「1.5℃特別報告書」によると、現在各国が提出している2030年までの削減目標を足し合わせても、2100年までに約3℃も気温が上昇してしまうと予測されています。
つまり、パリ協定の目標達成に必要な排出削減量と、各国がNDCで定めている排出削減量との間には、埋めなければならない大きなギャップがあるのです。

パリ協定は、その大きなギャップを埋め、目標を達成する道筋を担保するため、各国が5年ごとにNDCを見直し、再提出する仕組みを取り入れています。2020年は、各国がNDCを再提出する初めての機会です。

NDCをすでに再提出している国は2か国(2020年1月29日現在)。COP26が開催される2020年11月までに、各国が目標を引き上げ、対策を強化してNDCを再提出することが期待されています。

現在、日本のNDCに掲げられている排出削減目標は、2030年度までに2013年度比で26%。これをいかに引き上げることができるか、そして対策を強化できるかが、今後の日本そして世界の温暖化対策に貢献する上でも重要な指標となります。

湧き上がるNDC強化を訴える声

現状の大きなギャップを埋めるため、2019年9月にアメリカ・ニューヨークの国連本部で開催された国連気候行動サミットや、2019年12月にスペイン・マドリードで開催されたCOP25(気候変動枠組条約第25回締約国会議)では、企業・自治体・NGO・若者などが、様々な形で、各国のNDC強化を強く呼びかけていました。

2019年9月、ニュヨーク市内で行われたグローバル気候マーチ
©気候変動イニシアティブ

2019年9月、ニュヨーク市内で行われたグローバル気候マーチ

各国のNDC再提出が待たれる2020年、日本国内でもその声が湧き上がっています。

WWFジャパンが事務局を務める気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative)は、企業、自治体、NGOなどの主体、いわゆる非国家アクターが一丸となって、国に対してNDC強化を求めるメッセージを発信しました。

また、気候変動に取り組むNGOの国際ネットワーク「Climate Action Network(CAN)」の日本拠点「CAN-Japan」もメッセージを発信し、温室効果ガス排出削減目標を「2030年までに1990年比で45-50%削減」に引き上げて、NDCを再提出することを求めています。

これらの声に、日本政府はどう応えるのか。深刻化する気候危機を食い止めることができるかどうかは、このNDC強化のチャンスに各国がどのような姿勢で臨むかにかかっています。

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