パリで世界は一つになる!「COP21」が開幕しました(動画あり)


フランスのパリより、温暖化担当の小西です。

COP21の開幕を迎えた11月30日の朝、会場には、各国の首脳を乗せた車が続々と到着し、ひとりひとりがオランド大統領とフィゲレス事務局長に迎えられ、会場に入りました。

パリ会議は、COP史上初めて、150か国の首脳が参加した首脳級会合で幕開けしました。

そしてその中で、各国の首脳たちは、地球温暖化問題の重要性と緊急性、また自国がその対応にどれほど貢献する熱意を持っているかを、競うように訴えました。

演説はいずれも、パリ会議が京都会議以来の、最も重要な国連気候変動会議であること、その成功が、世界共通の願いであることを、何よりも明らかに物語っていました。

議長国フランスのオランド大統領は「テロとの闘いと地球温暖化との闘いは人類にとって2つの大きな挑戦であり、この地球を破壊から救わなければならない」と、COP21を成功に導く強い意志を明示。

続々と到着する150か国の首脳を迎えるオランド大統領とフィゲレス事務局長

150カ国の一として登壇した日本の安倍首相も、「テロに屈さずにCOP21開催を実現したフランスの皆さまに敬意と連帯の意を表します」と、スピーチの中で述べました。

世界の目は今も、2週間前に起きた悲劇のため、悲しみとともにパリに注がれています。

開催さえ危ぶまれたCOP21。しかし今、会議は開幕を迎え、今度は大きな希望と共に、さらなる注目を集めています。

フィゲレス事務局長は言いました「パリは、世界がふたたび団結する場所になる」。

明日からは、南北の対立を乗り越え、団結の意志を「パリ合意」という成果に結びつけるための交渉が始まります。

すでに、世界の市民と、ここに集まった首脳たちは、この会議の成功を求める確かな意志を示しました。

COP21は、気候変動のない未来と、新しいエネルギー社会をめざす、歴史の始点になれるのか。その行方を問う12日間のスタートです!

首脳級会合で演説するオバマ大統領

共和国広場に集まり、COP21の成功を求めるパリの市民たち(29日)

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COP21では、どんなことが注目されているの? という方は、ぜひこちらの動画をご覧ください!

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専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

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環境保全団体です。

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