© J.Mima / WWF Japan

2024年の3月11日に寄せて


皆さま、こんにちは。
WWFジャパン事務局長の東梅です。

今年も3月11日がやってきました。
2011年のこの日、東日本で多くの方々を襲った震災の被害を、今も忘れることはありません。

その記憶は、今年1月に能登半島で生じた大震災の被害の現状にも重なります。

私自身、2011年の被災地である岩手県の出身ですが、どれほどの月日が経つとも、被災された方々の記憶と心痛が完全に消えることはないと感じます。

2024年のこの日、あらためて東日本大震災の犠牲になられた方々、親しい方を亡くされた皆さまに、そして今、この時にも大変な災禍の中におられる能登北陸の皆さまに、心からのお見舞いを申し上げます。

東日本大震災からの十余年を振り返ってみても、日本の各地ではさまざまな災害が頻発するようになりました。

地震のように人の手では被害を完全に防ぐことの難しい自然災害もあれば、元は人の手が引き起こした気候変動に由来すると考えられる異常気象による災害もありました。

私が環境保全の世界に足を踏み入れた1990年代の初頭は、自然災害と環境のかかわりが大きく注目されることはありませんでしたが、今ではその脅威が現実のものになりつつあります。

一方で、自然の力を利用した減災や防災の取り組みも、近年は注目されるようになってきました。

生態系の保全だけでなく、防災対策や人間の福利厚生にも通じた「自然に根ざした解決策(NbS:Nature-based Solutions)」と呼ばれる取り組みの在り方は、その代表的な例といえるでしょう。

また、これから日本で始まろうとしている「エネルギー基本計画」の見直しなども、単にエネルギーの安定供給にとどまらず、気候変動とそれに伴う大規模な災害の防止において、重要な役割を果たすべきものとなります。

こうした現状は、私たちが取り組む地球温暖化の防止や、生物多様性の保全といった環境をめぐる取り組みに、「災害を防ぐ」という、新たな目的と役割が、明確に加わったことを物語っています。

何が、今の時代に求められる環境保全の取り組みなのか。その中で、私たちWWFジャパンは、どのような使命を担い、果たしていくのか。今日この日、あらためて深く考えてみたいと思います。

ぜひ、皆さまには私たちと、これからの環境保全に向けた歩みを、自然と共生できる未来を創造する取り組みを、共にしていただければと思います。

これからもWWFの活動に、ご理解とご尽力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

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事務局長
東梅 貞義

国際基督教大学教養学部理学科卒業(生物専攻)。英国エジンバラ大学修士号(Master of Science)取得(自然資源管理専攻)
1992年WWFジャパンに入局以降、日本全国各地の重要湿地の保全活動に携わる。
2019年からはシニアダイレクターとして、WWFジャパンが手掛ける地球環境保全活動全般を統括。
2020年7月 WWFジャパン事務局長就任
座右の銘は、Together possible 「一緒なら達成できる」

自然保護に取り組み30年近く。これまでのフィールドは、日本では南は石垣島のサンゴ礁から、北海道の風蓮湖まで、世界ではペンギンの生きる南米の海から、渡り鳥の楽園の黄海、そしてミャンマー・タイの東南アジア最大級の手つかずの森まで。野生生物と人の暮らしが交差する現場で、現地の人々や研究者、グローバル企業、国際機関の方々とご一緒に、自然保護と持続可能な未来を目指して日々取り組んでいます。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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