「ブバ・ンジダの平和」


先週末、アフリカ中部のカメルーンから、新しい情報が入ってきました。密猟の対策に、600名の兵士を動員した作戦の話題です。

この作戦は、カメルーン政府が先月に決定した取り組みの一環として実現。「ブバ・ンジダの平和」作戦と銘打たれ、北部のブバ・ンジダ国立公園で展開されました。ここは今年の冒頭、200頭超のマルミミゾウが密猟された、凄惨な事件の現場です。

軍隊が出た、といえば頼もしくも聞こえますが、それは同時に、現状の深刻さを裏打つものでもあります。軍の指揮官が報道に語ったところによれば、相手にしているのは、「普通の密猟者ではない。機関銃や自動小銃で高度武装し、制服を揃え、国境を越えてくる集団」。

さらに、こうした野生生物犯罪の増加は、麻薬密売など他の組織的な犯罪組織や、地域紛争の激化にも影響するため、現地の国々にとっては重大な問題です。

幸い、この作戦が始まってから、同地では密猟者が侵入した痕跡は認められていないとのこと。「この地に絶対に密猟者は入れない」という、カメルーンの人々の強い意思の賜物です。

しかし、この状態を長く維持するのは、容易ではありません。軍の動員は、国にとって大変な負担ですし、何より、象牙に対する需要自体が減らない限り、密猟は続くからです。

そして、これこそが今、私たちの取り組むべき活動になっています。密猟と戦う現地への支援、そして需要を抑えるための違法な取引の取締り強化です。

日本からできることはわずかかもしれませんが、せめて支援の手と、現地への応援の声を届けられればと思っています。

支援金を募っているほか、先週よりカメルーンとブータンのレンジャーの皆さんに、応援のメッセージカードを送るキャンペーンを始めました。ぜひご参加いただければと思います。(広報:三間)

密猟・違法取引にNO!冬のご支援のお願い

動物を守るレンジャーにカードを送ろう!Card for Ranger

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ブバ・ンジダ国立公園とその周辺をパトロールする600人の兵士たち。

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2012年の1月~2月にブバ・ンジダではゾウの大量の密猟が起きた。犠牲は200頭を超えた。

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自然保護室 次長
三間 淳吉

森、海、気候、野生生物、さまざまな活動をサポートしています。

虫を追いかけ40年。鳥を追いかけ30年。生きものの魅力に触れたことがきっかけで、気が付けばこの20年は、環境問題を追いかけていました。自然を壊すのは人。守ろうとするのも人。生きものたちの生きざまに学びながら、謙虚な気持ちで自然を未来に引き継いでいきたいと思っています。

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