見過ごしている生きものたち
2017/02/18
駅までの道すがら、毎朝通る学校の裏道。
今の時期、校庭にはツグミやムクドリが何羽もやってきて、朝食を楽しんでおります。
道沿いの木立や草むらには、スズメやエナガ、ジョウビタキなどがおり、アオジやモズを見ることも。
そんな場所で先日、思わぬ出会いがありました。
歩いていると、いつも通りスズメが数羽、落ち葉をひっくり返して食事に夢中。
おはよう!という気持ちでチラと目を向け通り過ぎたところ、
んんん?
何か羽の模様が違う気がする...
足を止めて数歩戻り、よく見てみると、
「アトリだ!」
そこにいたのは、独特な形の羽を頭に戴く、久しぶりに見た小鳥たちでした。
アトリは本州には冬にやって来る渡り鳥で、開けた農地などでは大群をつくることもあります。
見られたのは5羽。
もとより珍しい鳥ではないですが、住んで7年になるこの町では、初めての出会いでした。
アトリはもっと郊外の鳥(うちも十分郊外だけど)、という印象でしたが、後で聞いた話では、今冬はとても飛来数が多いとのこと。
それでも、年によっては少ないながら、アトリたちはここに来ていたのかもしれません。
小鳥は全部スズメだ、くらいにしか思っていなかった自分の目には、おそらくその姿が見えていなかったに違いない。
ヤレ勿体無いことをしたと、嬉しくも反省しきりの、そして電車を一本逃しただけの価値ある(?)時間になりました。
自分自身が思っているほど、私たちは野生の生きものたちのことを知らないものです。
身近な野鳥しかり。遠く海を越えたスマトラの森や、チリの海に生きる生きものたちしかり。
新しい出会いが待っていることをまた期待しながら、謙虚な気持ちで彼らの姿に目を向けてゆかねばと思います。(広報担当 三間)