©Taichiro Oda

おとうさんワンオペ育児に奮闘中~タガメ


たった一人で、食事する間も惜しんで、子どもたちのお世話に奮闘中。
そんな「イクメン」顔負けの、珍しい子育てをする生きものが、日本の田んぼ周辺には生息しています。

タガメは、カメムシ目コオイムシ科に属する日本最大の水生昆虫。
その卵は、水没すると酸素不足で死んでしまい、空気中で乾燥しても死んでしまうという、デリケートな命の塊。
メスが茎などに産み付けたこの卵が孵化するまでの間、オスが献身的にお世話を続けます。
タガメのおとうさんは、卵が乾燥しないように水をかけたり、外敵を威嚇して追い払ったり、直射日光から守るために覆いかぶさったりと、身を挺する働きぶり。
卵の縞模様がはっきりしてきて、幼虫が一斉に孵化するまで、息つく間もなさそうです。

©Taichiro Oda

卵をまもるおとうさんタガメ

©Taichiro Oda

タガメの卵、きれいな縞模様

同じ科に属するコオイムシも、その名の通り、卵が孵化するまで親が背負ってまもります。
実は卵を背負っているのはオス。
メスはオスの背中に卵の塊を産み付けます。
おとうさんコオイムシは、移動中も食事中も、孵化するまで子どもと密着して過ごす子煩悩ぶりです。

このようにユニークな生態をもつタガメやコオイムシですが、今や環境省のレッドリストに掲載される絶滅危惧種です。
タガメが生息しているということは、その餌であるドジョウ・メダカ・カエル・昆虫等が豊富で、産卵場所となる水生植物が繁茂している豊かな自然が残っているということ。
しかし、このままでは、今の子どもたちが大人になった頃には、こうした自然や生きものは日本から姿を消してしまっているかもしれません。

実りの秋、身近な日本の田んぼの生きもののことを知って、できることから始めてみませんか。

タガメや水辺の生きものについて知りたいなら以下の本がおすすめです。

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森林・野生保護室 野生生物グループ
小田 倫子

弁護士として10年間稼働後、家族の転勤に伴い沖縄県名護市に居住したことを契機に、自然保護の仕事を志し大学で保全生態学を専攻、2013年WWF入局。法人パートナーシップ担当として生物多様性保全・気候危機対策に関する企業との協働プロジェクトの提案・実施業務を担当後、野生生物グループに異動、今は国内希少種を保全するフィールドプロジェクトを担当。
学士(法学・農学 東京大学)
法学修士(カリフォルニア大学バークレー校)

国内希少種の宝庫である南西諸島で主に活動しています。フィールドで生き物に出会い、その美しさ・不思議さを仲間と分かち合える瞬間が至福の時。趣味は里山散策と水生生物の観察。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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