アムールヒョウも車も通れる(!)トンネルが開通
2016/04/13
※2023年6月26日をもって、WWFロシア(Vsemirnyi Fond Prirody)はWWFネットワークから離脱しました。
こんにちは、広報室の山本です。
針葉樹と広葉樹の混在する豊かな森が広がる極東ロシアの森。
そこは、絶滅の危機にあるアムールヒョウやシベリアトラ(アムールトラ)の生息地であり、私たちWWFジャパンも日本から保護活動の支援を行なってきました。
嬉しいことに、ここ数年その数が増えている、という報告が入ってきていますが、課題はまだまだ山積。
「ヒョウの森国立公園」の周辺部を走る幹線道路で、アムールヒョウが交通事故に遭うことも、問題の一つになっています。
ところが、このたび、何とその幹線道路の一つに、車も動物も通れる(!)トンネルが開通したというニュースがロシアから届きました!
一見ちょっと派手な普通のトンネルなのですが、道路が分断する森をつなぐ形で設計されており、トンネルの上部をアムールヒョウなどの動物たちが安全に通れるようになっています。
今回完成したトンネルがある地域では、過去数年の間にヒョウのほかにも3頭のシベリアトラが交通事故によって命を落としてしまいました。
これまでWWFロシアでは、野生動物が道路を多く横断する場所に「Slow! Look out, wild animals!(スピード落とせ!野生動物にご注意!)」という道路標識の設置を要請するなど、事故のゼロ化をめざしてきましたが、トンネルの新設はその一歩になるものです。
WWFロシア・アムール支部代表のユーリ・ダーマンは、
「私たちは、この「ヒョウの森国立公園」内の一部をトンネル化する工事の重要性を訴えてきましたが、今回それが実現したのは、大変喜ばしいことです」とコメント。
これからも、地域の人々に貴重な自然や野生動物の保全に目を向けてもらいながら、アムールヒョウの保護調査を進めていきたいと思います。
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