食欲の秋に考えたい、南米チリ・パタゴニア地域の海とのつながり
2026/10/15
食欲の秋を迎えるこの季節。旬の秋鮭が店頭に並ぶなど、サーモン(サケ)をより身近に感じる季節になってきたのではないでしょうか。
そんなサーモンですが、日本で私たちが食べているものの多くは海外から輸入されています。
中でも南米チリは、その主な産地のひとつで、南部のパタゴニア地域の海では、サーモン養殖が盛んに行なわれています。
そしてここは、チリイルカ、マゼランペンギン、オタリアをはじめ、さまざまな生きものが生息する豊かな海でもあります。
普段何気なく口にしているサーモンを通じて、私たちの暮らしは、遠く離れた南米チリ・パタゴニア地域の海や、その生物多様性と深くつながっているのです。

チリイルカ(Cephalorhynchus eutropia)。チリの沿岸域にのみ生息する固有種で、南部パタゴニア地域の生物多様性の豊かな海を象徴する種のひとつです。
パタゴニア地域でのサーモン養殖は、チリの経済や人々の暮らし、そして日本に住む私たちの食にとっても重要です。
しかし同時に、水質の汚染や野生生物と人の軋轢(あつれき)、養殖企業と地域や先住民コミュニティとの間で海の利用をめぐる摩擦もあり、環境面・社会面でさまざまな問題が指摘されています。

チリのサーモン養殖場。こうした養殖場が、南部パタゴニア地域の沿岸域に数多く広がっています。サケは本来チリには生息していない魚であるため、養殖場のいけすから逃げ出すと、外来生物となり、生態系をかく乱するリスクもあります。
私たちWWFは、こうした問題の解決に向けて、自然環境や地域社会に配慮した国際的な養殖認証「ASC認証」の取得を推進するなど、サーモン養殖のサステナビリティを高める取り組みを行なってきました。
さらに近年は、より広い視点から海の利用のあり方を考え、地域全体で持続可能な海の利用を目指していくための取り組みも進めています。

ASC認証ロゴを付けて販売されるチリ産サーモン。サステナビリティに配慮した商品を選びたい、販売してほしいという消費者の皆さんの声が、生産地であるチリ・パタゴニア地域での養殖のサステナビリティを高め、海の保全を後押しします。
今回、これまでの成果や今後の課題について、詳しい報告をこちらにまとめました。
【成果報告】南米チリ・パタゴニア地域の海洋保全 現場から制度づくりへ広がる成果(~2026年6月)
これは、私たちの食と深くつながっている、南米チリ・パタゴニア地域の豊かな海を守る活動です。
食欲の秋。サーモンが結ぶ自然と暮らしのつながりに、ぜひ目を向けてみてください。
