バレンタインに知りたい❞チョコレートと森❞の関係
2026/02/12
最近、「チョコレートが前より高くなったかも?」と感じる方もいるかもしれません。為替?それともカカオ不足? 実はその背景には、カカオ産地で起きている、あまり知られていない事実があります。一緒にその理由をのぞいてみませんか。
バレンタインが近づくと店先に並ぶ華やかなチョコレート。その原材料となるカカオの産地のひとつが、西アフリカのガーナです。日本はカカオ豆の7割以上をガーナから輸入しており、私たちが味わうチョコレートは、ガーナの森林と人々の営みによって支えられています。

一方で、ガーナではカカオ農園の拡大などの影響により1980年以降、森林が半分ほどに減ったとされています。失われた森林を完全に取り戻すことはできず、土壌の回復に約10年、生態系機能の回復には約25年、生物多様性まで含めると120年かかるという研究もあります(※1)

カカオ森林ランドスケープにおける1980年時点をベースラインとした森林・カカオ農園面積推移、緑色が森林、ピンクと赤がカカオ農園(WWFジャパン2024)
(注1)
https://news.mongabay.com/2022/02/study-suggests-tropical-forests-can-regenerate-naturally-if-we-let-them/#:~:text=They%20found%20that%20soil%20fertility,no%20extreme%20degradation%20like%20mining.%E2%80%9D
気候変動の進行に伴い、その影響はガーナのカカオ農家の暮らしと生産現場を直撃しています。カカオは乾季に雨が続くなど天候が不安定になると、実がつきづらく、さらに病気も広がりやすいです。こうした気候変動の影響は、2023年の大規模な不作や最近の価格高騰の一因にもなったと考えられています。また、本来、森林は高温や大雨、病虫害からカカオを守る役割がありますが、森林の減少によってカカオ農園は気候変動や病害に弱くなっています。さらに、自然の森とは異なり、カカオだけが広がる単一農園ではカカオの病害が一気に広がりやすく、生産はますます不安定になっています。
また、生産者の貧困と先進国の需要が、ガーナの森林減少をさらに進めています。
カカオは肥沃な土ほどよく育つため、天然林を切り開いたばかりの土地が最も収量が上がります。痩せてしまった農園を手入れするよりも、新たに森を切り開いたほうが早く収量の増加につながるため、結果として森林伐採が進んでしまったのです。ガーナの森は今、保護区や国立公園など限られた場所にしか残っていません。

ガーナの仲買人の倉庫で一時保管されていたカカオ豆。
こうした状況を少しでも良い方向に変えるために、私たちに何ができるでしょうか。
私たちが店頭で商品を「選ぶ」という行動は、企業に対して「森をまもる努力をもっとしてほしい」という声にも、「このままで大丈夫」というサインにもなってしまいます。だからこそ、日々の選択には大きな意味があります。
たとえば、エコラベル商品を選んでみる。“どこで・どのように作られたのか”という産地の情報を調べてみる。お店に「環境にやさしい商品を増やしてほしい」と伝える。さらに、気候や環境に関するセミナーやオンライン署名に参加したり、メーカーに調達方針を尋ねてみることもできます。

カラフルで美しく実ったカカオの果実。
こうした声や行動が積み重なることで、企業やお店がより良い選択を考えるきっかけになります。私たちの選択が、ガーナの森とそこに息づく生きものたち、そしてそこで暮らす人々の生活を支える後押しになります。
「これならできそう」と感じるものから、日々の選択に少しずつ取り入れていくことで、チョコレートのある豊かな時間を未来へつなげていくことができます。
今年のバレンタインを、小さな一歩を踏み出す機会にしてみませんか。
ガーナの森林をまもるためのWWFジャパンの活動を、より詳しく紹介したページがあります。ぜひご覧になってみてください。



