© David Lawson / WWF-UK

2022年 年始のご挨拶


皆さま、明けましておめでとうございます。
WWFジャパン事務局より、新年のご挨拶を申し上げます。

昨年一年間、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響がまだ強く残るなか、皆さまよりWWFジャパンの活動への変わらぬご理解とご支援をいただきましたこと、心より御礼を申し上げます。

2021年は、私たちが目指す「生物多様性の回復」、そして気候変動(地球温暖化)問題への取り組みである「脱炭素社会実現」が、大きく動いた一年となりました。

生物多様性の保全については、コロナ禍で延期を重ねていた国連の生物多様性条約会議COP15(第一部)が10月に開催され、重要な政治メッセージとなる「昆明宣言」が採択されました。
これは、2022年4月に開催されるCOP15(第二部)で、愛知目標に続く2020年以降の生物多様性回復の国際目標の合意を強く後押しするものです。

また、気候変動についても、11月に開催された国連の気候変動会議COP26で、パリ協定「実施」の長期目標として、「1.5度目標」が、これまでの「2度未満」と置き換えられることが、ほぼ国際社会の総意となりました。
この目標は、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べ1.5度以下に抑えるというもので、私たちWWFが長年、国際社会に対して求め続けてきた目標でもあります。
さらにCOP26では、協定のルールブックも完成。いよいよパリ協定の実現に向けて、世界が本格的に動くその下地が固まりました。

一連の国際社会の合意は、もちろん日本にとっても、大きなインパクトをもたらすものです。
政府としてのエネルギー政策はもちろん、ビジネスに深くかかわる経済や金融においても、今後はより脱炭素に向けた動きが、ますます強まることになるでしょう。

もう一つ注目するべきは、COP26で発表された、世界の森林保全を約束する「グラスゴー宣言」に、140あまりの国々が賛同したことです。

これは、気候変動対策としても森林の保全が重要であること、生物多様性の保全と温暖化防止の取り組みは、一体のものとして進めていく必要があることを、明らかにするものでした。

国内外を問わず頻発するようになった異常気象の深刻化に伴い、気候変動に対する危機感と取り組みへの意識は、国際政治の世界でも、ビジネスの世界でも、確実に高まっています。

同時に、生物多様性の危機や回復についても、同様の意識の高まりが大きな波となり、国際的な潮流になろうとしている。それがまさに、今なのだと実感しています。

こうした変化こそが、新たなビジネスや産業、投資を、世界規模で生み出す大きなチャンスとなることを、日本国内でも広め、強めていく1年にしてかねばなりません。

2022年は、私たち自身、活動にご賛同くださる皆さまや、環境配慮をリードする企業、自治体や行政関係者の方々と共に、新たな動き生み出す原動力となれるよう、スタッフ全員で力を尽くす1年にしていきたいと、決意を新たにしております。

最後に、2022年の抱負をもう一つ。

2022年は寅年です。トラは、絶滅危惧種として、またアジアの自然の食物連鎖の頂点に立つ、豊かな環境の象徴として、私たちが長年にわたり保全と回復に取り組んできた野生動物です。

そして2022年は、12年ぶりの「世界トラサミット」が開催される年。
ここでは、過去10年あまりの保全の取り組みの評価が行なわれると共に、最新の野生のトラの個体数が明らかにされ、次の12年に向けた、新しいトラ保護の国際目標が合意される予定です。

トラの保護には、すみかである森林などの保全、違法取引や密猟の防除のみならず、生息環境を大きく変えてしまうおそれのある気候変動への対応も欠かせません。COP15やCOP26での議論と、地球の未来に向けた各国政府の意志も、トラの保護に大きくかかわっているということです。

寅年の2022年は、こうした観点もふまえて、トラの現状と保護についても、取り組みと発信を強化していく一年としていきたいと思います。

皆さまには一つでも多く、よいご報告ができるよう、スタッフ全員で努力して参りますので、ぜひ、ご関心をお持ちいただき、私たちの取り組みにご理解とご支援をいただければ幸いです。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 


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事務局長
東梅 貞義

国際基督教大学教養学部理学科卒業(生物専攻)。英国エジンバラ大学修士号(Master of Science)取得(自然資源管理専攻)
1992年WWFジャパンに入局以降、日本全国各地の重要湿地の保全活動に携わる。
2019年からはシニアダイレクターとして、WWFジャパンが手掛ける地球環境保全活動全般を統括。
2020年7月 WWFジャパン事務局長就任
座右の銘は、Together possible 「一緒なら達成できる」

自然保護に取り組み30年近く。これまでのフィールドは、日本では南は石垣島のサンゴ礁から、北海道の風蓮湖まで、世界ではペンギンの生きる南米の海から、極東ロシアのトラの森、渡り鳥の楽園の黄海、そしてミャンマー・タイの東南アジア最大級の手つかずの森まで。野生生物と人の暮らしが交差する現場で、現地の人々や研究者、グローバル企業、国際機関の方々とご一緒に、自然保護と持続可能な未来を目指して日々取り組んでいます。

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WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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