東日本大震災から6年の日に寄せて


皆さんこんにちは、事務局長の筒井です。

東日本大震災から今日で6年となりました。

大切なご親族や親しい方々を亡くされ、また今も、さまざまな困難と闘っておられる被災された皆さまに、事務局を代表し、心よりお見舞いを申し上げます。

昨年までと比べると、震災を取り上げる報道も随分と少なくなったように感じられます。

それでも、東北各地は今も復興の途上にあり、その中で大変なご苦労をされている方々がいらっしゃることは確かな事実です。

何より、あの震災から日本という国は何を学んだのか。6年という日々に、どれだけの成長を遂げてきたのか。あらためて問い直さずにいられない思いです。

それでも、この一年間には未来につながる希望も生まれました。

震災から約1年後の南三陸の海

私たちにとっても悲願であった、日本初の「ASC認証」漁業(養殖業)の取得が、宮城県南三陸町の海でついに実現したのです。

津波で全てを失ったかに見えた海から、日本がこれから目指すべき、新しい漁業の姿が誕生した瞬間でした。

ASC認証は、海の環境に配慮した持続可能な養殖水産物を認証する、国際的なエコラベルの一つです。その厳しい基準をクリアするため、地元の皆さんは大変な努力をされてきました。

ASCの認証審査を受ける南三陸戸倉のカキ養殖

私たちWWFも「暮らしと自然の復興プロジェクト」を通じて、この海との共存を目指す取り組みを支援してきましたが、地元のたゆまぬ頑張りと成果は、まさに震災復興を越えた、一つの偉業であったと思います。

この南三陸をはじめ、震災の中から、たくさんの人々が勇気を持って築いてきた長い道のりは、必ず日本と地球の明るい未来に続くものと私は信じます。

WWFもまた、その道を共に歩み、創り上げてゆく、そんな活動に邁進してゆく所存です。

被災地の全ての暮らしが復興を遂げるには、まだ幾多の試練があると思いますが、世代と地域を超えた協力が、ひとつずつ課題を乗り越え、解決して行けるように、心より願っております。

震災から7年目に向けたこれからの1年が、真に実りあるものとなりますように。

ASCの認証授与の記念式典。戸倉のカキは、世界が認める環境に配慮したカキになりました

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局長
筒井 隆司

WWFジャパンが中長期戦略を立案し、様々な分野のリーダーとの交流で時代の要請に応えられる団体にする。人事・予算を管理し役員会・APGS・WWFネットワークとの折衝と貢献を担う

長い海外勤務経験を活かし、日本が持続可能な成長に貢献出来るよう尽力したいと思います。せっかく国際環境保護団体にいますので"Be a voice, not an echo"を実践して日本の考えや主張を積極的に発信したいと思います。還暦を過ぎても気持ちは青年を維持したいと思います。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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