©WWF Japan

インドネシアで見た「植林」の難しさ


先日、インドネシアのスマトラ島南部にあるブギ・バリサン・セラタン国立公園とその近くの植林地を訪れました。

どちらも日本とインドネシアのWWFが協力して、森の保全と回復に努めている場所。

ですが、2つの場所の差は歴然としていました。

© WWF Indonesia

多様な木々が高い密度で息づく国立公園に対し、植林地には太い木がなく、空も開けた感じになっています。

この植林地はもともと自然の森でしたが、伐採や焼き畑により10年以上前に森が消滅。以来、約10年にわたって森林の再生が続けられてきました。

しかし今も取り組みは終わっていません。どうしてでしょうか。

実は、熱帯では植物の成長が非常に速いため、植えた苗が他の草やツルに覆われ、すぐに枯れてしまうのです。

  • さらに表示する
©WWF Japan

数十メートルにもなるフタバガキ科の木と、光を求めて木を登るツル性植物。温度、光、水が揃った熱帯は多様な植物の楽園です。

このため、森林回復を自然の力に委ねられるようになるまで、現地では人が絶えず下草を刈り、ツルを取り除いて、植えた苗がしっかり育つようにメンテナンスをしなくてはなりません。

苗が10メートルくらいまで育っても安心はできません。
幹に葉を張り付けるようにして上へ上へと這い上がり、てっぺんまで覆い尽くしてしまう、怪物のような植物がいたりするからです。

©WWF Japan

木を覆うヒルガオ科の植物(Marremia Peltata)。植物により植林が妨げられてしまうこともあります。

さらに、必死に守ってきた苗が、激しい雨や乾期の水不足でやられてしまったり、野生のゾウに踏み荒らされてしまう!ことも。
もとより、10年経っても巨木に育つわけではありませんから、「森をよみがえらせる」という取り組みは、言葉にできない大変さに満ちています。

森林回復といえば「植林」と誰もが考えがち。

ですが、苗を植えただけで終わるような活動は、ここインドネシアには一つもありません。

現地スタッフたちの頑張り、そして失ってしまった森の尊さを伝えながら、日本からもこの取り組みを応援してゆかねばと思います。(会員サポート担当:今村)

この記事をシェアする

C&M室
今村 佳那子

個人サポーターの方々と活動現場のスタッフを繋ぐ仕事をしています。

牧場や、砂漠地帯でのテント暮らしなど大自然に囲まれて暮らした経験があり動物や自然が大好きです。暫く異業種で働いていましたが、人にお勧めするものは自分が最も必要と思うものにしたい!と、最も関心のある環境問題を扱うWWFに転職しました。活動を多くの方に伝え、そして推進させたい、という気持ちで業務に励んでいます。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは世界約100か国で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP