乾季のインドネシアで頻発する熱帯林の火災


日本の皆さんこんにちは。
WWFインドネシアのムナです。
今、こちらは乾季。雨の降らない暑い日が続いています。
でも、東京のスタッフから、この夏の日本の暑さ!を聞いて驚きました。
こちらは実際、最高気温が35度を上回るような日はありません。
ですが、快適とは程遠い状況です。
乾季は、国内全域で火災が頻発する時期。
私の住むボルネオ島西カリマンタンにあるポンティアナックの町も、先月からたびたび煙に覆われ、植物が炭化し蓄積した土地「泥炭(ピート)」の燃えるにおいが立ち込めています。

©Tantyo Bangun / WWF

煙害がひどかった年のパレンバン(インドネシア)の町。今年8月18日からアジア競技大会が予定されていますが、煙害の影響が心配されます。

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主な原因は、農地を安く切り拓くため行なわれる違法な「野焼き」。
多くが「パーム油(植物油)」を採るアブラヤシを栽培するためのものです。
ポンティアナック近郊では、先月の10日間だけで529カ所もの地点で火災が確認されていました。

© Tantyo Bangun WWF

燃える泥炭地。泥炭地は水気の多い土壌ですが、アブラヤシを植えるために水路を掘って水を抜き、土地を乾燥させると、炭素を多く含む植物の炭のようになるため、一度燃えだすと、大変なことになります。火が地中の数メートルの深さまで燃え広がる過程で、地上の森にも燃えうつります。

特にエルニーニョ現象が起きた年はなかなか火が消えず、2015年には17.5億トンの温室効果ガス(CO2換算)が排出されたと推計されています。
泥炭の火災からは二酸化硫黄や二酸化窒素などを含む有毒な煙も発生。
これは、自然や野生動物はもちろん、社会や経済、健康、地球温暖化にも悪影響を及ぼす大問題です。

©Victor Fidelis Sentosa

アブラヤシ農園の開発で大きな影響を受けているオランウータン。個体数は過去100年間で80%も減少したといわれています。

RSPOのマーク

火災を防ぐのは容易ではありませんが、私たちは取り組みの一つとして今、環境や社会に配慮して生産された「持続可能」なパーム油の国際認証「RSPO」を推進しています。
この認証の基準では、開発のための火入れを禁止しており、自然や労働環境にも厳しい配慮を求めています。RSPO認証のパーム油を使うことで、誰もが開発や火災から森を守る取り組みを応援できるのです。

最近、日本でも認証を取得する企業が増えていると聞きました。
ぜひ皆さんも、このRSPOのマークを知っていただき、広めてもらえればと思います。
(取材・編成:森林担当 伊藤)

「植物油」と表示されるパーム油。スーパーに並ぶ商品の約半分に含まれると言われています。

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