WWFインターナショナル名誉総裁 エジンバラ公フィリップ殿下を悼んで


2021年4月9日深更(日本時間)、WWFインターナショナル名誉総裁のイギリスのエジンバラ公フィリップ殿下がご逝去されました。
フィリップ殿下は1961年のWWFインターナショナル設立当初より、世界の自然を守るWWFの国際的な活動の重要性を深く理解され、その支援と取り組みの拡充にご尽力されてきました。
殿下は1961年から82年まで、WWFインターナショナルに続いて設立されたWWFイギリスの初代会長を務められたほか、1981年からは15年間にわたり、WWFインターナショナルの総裁にも就任。長年にわたり自然保護の輪を各国に広げていく取り組みに邁進されました。
またフィリップ殿下が自然保護の最前線に足を運び、各国首脳と会談して環境保全の取り組みを強化するよう、働きかけられてきた国は50カ国あまりにのぼります。
日本もそうした国の一つでした。
特に、1982年以降、6回にわたったWWFの総裁・名誉総裁としての活動を行った来日の中で、最も多く訪問されたのは、沖縄県から鹿児島県にかけて連なる生物多様性の宝庫、南西諸島の島々です。この折、殿下は地域の方と交流を深めつつ、石垣島白保のサンゴ礁や、奄美大島に生息する希少種アマミノクロウサギを現地で観察され、日本の関係者をはじめ世界に向けてその保全の重要性を訴えられました。
また、1980年に日本が批准しながら、国内での法執行が不十分だった「ワシントン条約」についても、1984年の来日時に中曾根康弘首相(当時)との会談の中で、野生生物取引問題の深刻さを伝えつつ、条約の施行を強く求められ、その後の法改正を力添えくださいました。
最後の来日は、沖縄と東京を訪問された1997年でしたが、その後も、2005年に愛知県で開催された愛・地球博の開催予定地として当初開発が計画されていた里山「海上の森」の保全についてメッセージを発信されるなど、日本の自然保護と、その地域で活動に取り組む方々に対し、深い関心と敬愛の念を抱いておられました。
私たちWWFジャパンのスタッフにも気さくにお声をかけられ、笑顔と活動への感謝、励ましの言葉をくださったフィリップ殿下のご逝去は、私たちのみならず、世界各地で自然保護活動に取り組む人々にとって、大きな悲しみであり、哀惜の念に堪えません。
ここに謹んで、殿下の生前のご厚意と、半世紀にわたる自然保護活動への大きな貢献に対し、深く感謝と敬意を表しますとともに、心からのご冥福をお祈り申し上げます。
フィリップ殿下の志を忘れることなく、私たちはこれからの自然を守り回復に導く取り組みに力を尽くしてまいります。


2021年4月12日

WWFジャパン事務局長 東梅 貞義


(4/14修正:5回にわたったWWFの総裁・名誉総裁としての活動を行った来日→6回にわたった)

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