IWC脱退に伴う日本の商業捕鯨の再開について


日本がIWCより脱退

2019年6月30日、日本がIWC(国際捕鯨委員会)より、正式に脱退します。また、7月1日からは日本の排他的経済水域内での商業捕鯨が再開される見込みです。

WWFは、日本がIWCから脱退することに対し、強い懸念を表明しています。

IWCが国際的管理の対象としている13種の大型クジラ類は、その多くが複数の国の排他的経済水域や公海をまたぐ広い海域を移動しながら生息しています。

こうした複数国にわたり生息する生物の保全や管理は、国際的な機関で、各国が最新最良の科学的知見を元にし、再び絶滅の恐れ引き起こすことのないよう、厳格な管理と遵守体制をあらかじめ協議し合意して、実施すべきです。

今回の日本の脱退は、国際協調が不可欠な地球環境問題に対して、自国ファーストを掲げ国際合意から離脱する国を増やしかねないおそれがあります。

また、大型クジラ類を管理する唯一の国際機関であるIWCで、科学的で厳格な保全管理の仕組みが合意されていない中、一国の判断のみで商業捕鯨を再開することには、本来は国際的なクジラ類の保全と管理が必要だという観点からも、問題があると考えます。

クジラの保全と管理に対する見解

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WWFの目標

WWFの目標は、クジラ目に属するすべてのクジラ類が、生息域全域で健全な個体群を維持し、海洋生態系の健全性を維持する役割を果たせるようにすることである。WWFは、地域レベル、国のレベル、そして様々な国際的な場でクジラ類への脅威を明らかにし削減するよう活動する。その際には、クジラ類の保護と管理に対して非常に多様な文化と価値観があることを尊重する。

商業捕鯨とIWC(国際捕鯨委員会)の商業捕鯨モラトリアム

WWFが商業捕鯨に反対する主な理由は 、クジラ類を国際的に管理する唯一の権限を持つIWC(国際捕鯨委員会)において、強固で実効性が明白であり、かつ取り締まり可能な、すべての国が従う保護管理と遵守の仕組みに、現在も合意に至っていないことである。さらに、そのような仕組みの中で、混獲、船舶との衝突、海中での騒音、気候変動と、その他の脅威と合わせて、クジラ類を捕獲することで生じる生態系への広範な影響も考慮する必要がある。そのためWWFは商業捕鯨モラトリアムを支持する。

国際取引

WWFは、クジラ類に由来する物品の国際取引再開に引き続き反対し、ワシントン条約附属書Ⅰに掲載されたすべてのクジラ類と個体群の掲載継続を支持する。さらに、掲載種に対するすべての留保の撤回を求める。

先住民生存捕鯨

WWF は、捕鯨が国内法国際法を遵守して実施される場合には、長い間捕鯨と強い社会的文化的結びつきを持っている原住民先住民のコミュニティが、先住民捕鯨を必要としていることを認めている。これは、クジラ類に由来する物品は地域内での消費に限り、捕鯨が持続可能でありクジラ類への脅威を引き起こさないことを担保する、IWCが承認した予防原則に基づく管理の仕組みが存在する場合である。

調査捕鯨

国際捕鯨取締条約には、各国政府が致死的調査への許可を出すことができる条項が含まれているが、これが書かれたのは70年以上前で、実行可能な代替方法が存在しなかった時代である。ここ50年の間に、致死的方法による標本採取より、ずっと効率的かつ正確で、管理に必要な生物学的データを提供することが可能な非致死的方法が開発されている。従って、WWFは調査目的の捕鯨には反対する。

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