脱原発と大幅な省エネで自然エネルギー100%の未来を!6万人の署名を提出


WWFジャパンは2012年5月1日、日本のエネルギー政策の見直しのカギとなる、「エネルギー基本計画」の改善を求める要望書と、この要望への賛同署名を、所管省庁である資源エネルギー庁に提出しました。これは、原発に頼らず、省エネと100%自然エネルギーによる、新しいエネルギー社会の実現を求めるもので、集まった署名総数は6万4,207筆にのぼります。WWFではさらに、署名数にちなんで、6万目からなる毛糸のマフラーを制作。多くの方々の意思をアピールしました。

変えよう!「エネルギー基本計画」

2011年3月の東日本大震災後に発生した、福島第一原子力発電所での事故を受け、日本政府は5月10日、「エネルギー基本計画」を一度白紙にして見直すことを発表。自然エネルギーを「基幹エネルギー」の柱と位置づけて推進し、省エネルギー社会を構築する、政策転換の姿勢を明確にしました。

「エネルギー基本計画」はエネルギー政策基本法に基づいて策定される、国の将来にわたるエネルギー政策を左右するもので、これまで原子力発電が年々増加してきたことの要因の一つにも、この計画の中で、拡大の方針が明確に打ち出されていたことが挙げられます。

実際、2010年6月に改定された現行の基本計画も、2030年までのエネルギー需給を原子力や石油・石炭等に大きく依存した内容になっており、安全性はもちろん、温暖化防止の観点からも問題のある内容でした。

現在政府は、エネルギー政策の大幅な見直しを進める一環として、この「エネルギー基本計画」の改定を進めています。

WWFはこの「エネルギー基本計画」がこれからの日本における温暖化防止と原子力政策の方向性を決める、一つの大事なカギになるとして、この見直しが発表された2011年5月から、その改善と改善案に対する賛同を募る署名活動を行なってきました。

求めている改善のポイントは、以下の5つです。

  1. 自然(再生可能)エネルギー100%を目指すこと
  2. そのために、いっそうの電力の自由化を進め、次世代電力システムの整備を実施すること
  3. 原子力に頼らない未来を実現すること
  4. 地球温暖化を解決するため、化石燃料(石油、石炭、天然ガスなど)に頼らないエネルギー社会を目指すこと
  5. 今よりずっと少ないエネルギーで暮らせる省エネを実現し、利便性を保ちつつ持続可能な生活を送ること

これから始まる「国民的議論」に向けて

2011年5月に開始した署名は、その後国内外より6万4,207筆の賛同署名が寄せられました。

そしてこれを、2012年5月1日、「エネルギー基本計画」の改善を求める、内閣総理大臣、内閣官房長官、国家戦略担当大臣、経済産業大臣、環境大臣あての要請書とともに提出。WWFジャパン事務局長・樋口隆昌より、「エネルギー基本計画」の所管省庁である資源エネルギー庁の総合政策課戦略企画室長・定光裕樹氏に手渡しました。

その折、WWFからは、独自に作成した、2050年までに自然エネルギー100%を実現するための、「省エネ」と「自然エネルギー100%」の2つのシナリオについて説明し、署名賛同者の意思を受けとめてこれを政策に導入するよう求めました。

また、提出に際しては、今回寄せられた、エネルギー政策の転換を願う6万4,207筆の署名による意思を形にしたようと、およそ6万目からなる毛糸のマフラーを作成。多くの方々の意思をアピールしました。

このマフラーは、ボランティアの方々の協力を得て編まれたもので、幅75センチ、長さ5メートルあり、「脱原発と大幅な省エネで自然エネルギー100%の未来を!」というメッセージが縫い付けられています。

現在、政府が複数のエネルギー関連の会議体で進めている、エネルギー政策の見直しは、これから重要なステージに入ります。
おそらく5月下旬以降に、いくつかの選択肢が提示されることになるでしょう。その後、国は「国民的議論を行なう」としています。

どのような方針に基づいて、いつまでに、どれくらいの割合で自然エネルギーや原子力の利用を変えてゆくのか。
ここまで行なわれてきた議論を基に、国家戦略室に置かれているエネルギー・環境会議が策定する「革新的エネルギー・環境戦略」の中で、2012年夏に決定されることになっています。

こうした政策決定の中で、WWFとしても、今回提出した要請内容が、国民からの意見の一つとして反映されるよう求めてゆきます。

要請書

記者発表資料

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お寄せいただいた署名。インターネットでいただいた署名も一緒にまとめました

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署名と要請書の受け渡し。経済産業省資源エネルギー庁にて

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ボランティアさんの協力で完成した6万目のマフラー

 

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