「サステイナブル・シーフード研究会セミナー」にてASCを紹介


2010年2月7日、持続可能な水産物を選択するにはどうしたらよいかを学ぶセミナーを「サステイナブル・シーフード研究会」が開催されました。今回のテーマは、養殖水産物。関係者や飲食関係者やメディア関係者など約30名が参加し、WWFジャパンのスタッフからも、持続可能な養殖水産についての新しい取り組みを紹介しました。

水産物の養殖の可能性と課題をさぐる

「サステイナブル・シーフード研究会」は、日本の水産物の流通や消費に関わる各分野を代表する人々が参加し構成している組織で、WWFジャパンもその参加メンバーです。

美味しさと持続可能性を両立させる水産物(シーフード)をどのように選択すればよいのか、また、どのような情報が必要なのかを検討しています。

2011年2月7日、東京港区で開かれた研究会のセミナーでは、代表である愛媛大学の野崎賢也准教授が、「飲食店の方には、料理の味だけではなく、その素材の背景まで伝えられるようになっていただくことが大切です」と挨拶。養殖に対する正しい知識がまだ浸透していない日本の実情を話しました。

WWFジャパン水産担当の山内からは、天然資源が枯渇、減少している現状と、世界的に水産物を食べる人口が増えていることから、将来的に養殖業の重要性が高まることを指摘。
今後は「責任ある養殖業の推進」のための選択基準が大切になることを説明し、WWFが現在普及に取り組んでいる、養殖水産物の認証制度(ASC:Aquaculture Stewardship Council/水産養殖管理協議会)を紹介して、その設立の背景や仕組みについて講義しました。

また、ブリ養殖の生産者である鹿児島県霧島の漁業者小林松三郎氏からは、どのようにブリを養殖しているか、餌の内容や管理方法の説明があり、参加者は興味深く聞いていました。

ブリ

セミナー会場の様子

セミナー会場の様子

天然と養殖の味の違い?

最後は、グループごとに分かれて、天然と養殖のブリの食べ比べが行なわれました。

今回は天然(富山県氷見産)と養殖(愛媛県宇和島産と鹿児島県霧島産)の3種類を、「生」と「焼」でそれぞれ、透明度や照りなどの外観、香り、食感、旨味・脂ののりなどの味わいで、評価をしていきました。

今回使用した養殖ブリは、餌の内容や生簀の環境、抗生物質などの薬品使用にも配慮をしたもので、こうした環境の違いで味の差が出るといわれています。

結果は、天然も養殖もそれぞれに良さがあり、またおいしいと感じる個人差もあり、どの味が優れているかといった明確な判断は出ませんでした。

今回のセミナーの開催を受けて、野崎准教授は「天然ものしか扱わない傾向がレストランにはありますが、世界の水産物資源の現状を踏まえて、養殖に対する理解を深めてもらいたい」と語りました。

食を提供する飲食関係者の意識が変われば、消費者の意識にも大きな変化が期待できます。
WWFジャパンでは、世界の水産資源に対する理解を深めたシェフやメディアに、持続可能な水産物普及の一翼となってもらえるよう、引き続き研究会を通じて、多くの関係者と活動をしていきます。

関連情報

関連サイト

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サステイナブル・シーフード研究会代表の
愛媛大学の野崎賢也准教授

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ASCについて紹介する
WWFジャパンのスタッフ

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ブリ養殖を手がける鹿児島の漁業者小林松三郎さん

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