野生植物の持続可能な利用を考えるセミナーを開催


今、世界では1万種以上にのぼる野生植物が、絶滅の危機に瀕しています。植物を危機においやる原因の一つが、過剰な利用や採集です。化粧品や食品、薬、アロマ製品など、野生の植物を原料として利用している例は、日本でも少なくありません。野生生物の取引監視に取り組むトラフィックでは、2014年3月、東京のWWFジャパン事務局で「野生植物原料の持続可能な利用と保全」をテーマとした企業向けのセミナーを開催しました。

野生植物の危機と利用の問題

現在、地球上では多くの野生植物が絶滅の危機に瀕しています。

IUCN(国際自然保護連合)の「レッドリスト」に、絶滅のおそれの高い種としてその名が記載されている植物は、実に1万65種。絶滅危機が明らかにされつつある植物は、年々増加の傾向をたどっています。

この野生植物を危機に追い込む大きな要因の一つが、人による過剰な採集や利用。

自生する植物は、いずれも生きている限りは再生する自然の恵み、また資源といえますが、根こそぎにしたり、繁殖できないレベルでの採りすぎ、使い過ぎが続いた場合は、姿を消してしまいます。

こうした植物の採集に暮らしを頼っている地域も、世界には数多くあることから、資源の乱獲や枯渇は、社会的な貧困などにもつながる問題といえるでしょう。

また、これらの野生植物を原料とする食用や薬用にかかわる企業にとっても、資源利用のあり方や、安定した原料調達の確保は大きな課題。

何より、そうした植物を大量に利用している主体として、企業には「持続可能な利用」を進める社会的な責任があります。

野生植物の採集が行なわれている現場(アジア)

採集された野生植物

化粧品、食品、アロマ、製薬... 企業を対象としたセミナー

日本の企業も、海外の自然から多くの野生植物を原料として輸入し、利用しています。

そこで、国際的な野生生物の取引監視機関であり、WWFジャパンの野生生物取引調査部門でもある、トラフィックイーストアジアジャパンでは、2014年3月26日、植物原料の利用に関わる日本企業を対象としたセミナーを開催しました。

テーマは「野生植物原料の持続可能な利用と保全について」。

これまであまり語られてこなかった植物原料、中でも薬用・アロマに利用される野生植物に焦点を当て、持続可能な利用の必要性についての意見交換を行なったほか、「フェアワイルド基準」と、その認証制度の最新の動向について紹介しました。

この「フェアワイルド」とは、生物多様性や地域に社会に配慮して採取された植物資源を、「基準」に基づいて第三者機関が認証する国際的にも信頼性の高い制度で、自然に配慮したものであることが、一目で分かる仕組みになっています。

すでに海外では企業の持続可能な取り組みを証明するツールの一つとしても、活用され始めており、セミナーでもこうした「基準」が果たし得る役割について、熱心な議論が行なわれました。

トラフィックでは引き続き、企業への情報発信や働きかけ、またフェアワイルド認証の推進などを通じた、野生植物の保全と、持続可能な利用をすすめる取組みを進めてゆきます。


▼トラフィックイーストアジアジャパンのサイト

関連情報


採集と加工の様子。地域の重要な産品になっている例も多い

野生植物を原料とした成分を含む薬品など

フェアワイルドのロゴマーク

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