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資源エネルギー庁の実施するバイオマス発電およびFIT法に関わるパブリックコメントへのWWFジャパンの意見提出とそれに対する回答

この記事のポイント
資源エネルギー庁(以下:エネ庁)がこれまで実施したバイオマス発電およびFIT法に関わるパブリックコメントに対し、WWFジャパンは以下の通り意見を提出しています。それぞれの回答、また対応は、以下のリンクからも確認できます。詳細の表はこちらからご覧ください。

詳細の表はこちらからご覧ください。

事業計画策定ガイドライン(バイオマス発電)改正案に関するパブリックコメント(案件番号:620218006)

公示日:2018年2月16日
事業計画策定ガイドライン(バイオマス発電)改正案 WWFジャパンの提出意見と資源エネルギー庁の回答
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【WWFジャパンの提出意見1】

3.燃料の安定調達に関する計画の策定及び体制の構築
④3行目「持続可能性(合法性)」、⑤3行目「持続可能性(合法性)」、ほか
・意見内容
今回の懸念点でもあるパーム油の主要生産国では、合法性=持続可能性ではない。政府が事業許可証を事業者に与えて、合法的に開発が進められている土地であっても、環境面および社会面において多くの問題が指摘されている事例が多くある。そのため、持続可能性(合法性)としてしまうと、合法性を確保していれば持続可能である、と取られかねない。したがって、「持続可能性及び合法性」とすべきである。
・理由
(参考資料①)合法性だけでは持続可能性は担保できない。


(参考資料②)グリーン購入法においても合法性と持続可能性は別の物と考えられている

【1に対するエネ庁の回答】

バイオマス燃料の合法性は持続可能性を確認する観点の1つとして含まれていると考えています。御指摘のように「合法性を含む持続可能性」と変更すると表記が煩雑となることから、原案のとおりといたします。

【WWFジャパンの提出意見2】

3.燃料の安定調達に関する計画の策定及び体制の構築
⑤2行目「当該計画が既存用途へ与える影響を最小限にするように努め…」
・意見内容
FIT対象となるバイオマス発電における燃料は、今後も新たに課題のある燃料が出てくる可能性があり、燃料全体に対する包括的な持続可能性基準を策定しておく必要があると考える。また持続可能性基準の策定および更新をする主体として、持続可能性を専門に議論できる審議会を設置すべきである。加えて、日本国内のバイオマス発電設備と同様、原料採取段階での地域住民の理解の促進(※FPIC:自由意思による事前の十分な情報に基づく合意)を求めるべきである。

【2に対するエネ庁の回答】確認できず

■総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会 中間取りまとめ(案)に対する意見公募(案件番号:620219012)

公示日:2019年12月26日
再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会中間取りまとめ(案) WWFジャパンの提出意見と資源エネルギー庁の回答

【WWFジャパンの提出意見1】

9ページ17-19行「したがって、レジリエンス強化の観点を確認することにより、エネルギーの地産地消の観点も・・・」に対して
第5次エネルギー基本計画15ページに「地産地消型の再生可能エネルギーの普及やコージェネレーションの普及・・・により、需要サイド主導の分散型エネルギーシステムの一層の拡大が期待される」とある通り、燃料の地産地消および熱電併給がFITの目的の一端であると認識しているため、それらを優遇する制度を確立すべきと考える。

【1に対するエネ庁の回答】

地域一体型の地域活用要件のうち、熱電併給設備については、再エネ主力化小委員会からの要請を踏 まえて、調達価格等算定委員会で議論がなされ、災害時(停電時)における当該再エネ発電設備で産 出された熱の活用が、地方自治体の防災計画等に位置付けられていることを地域一体型の地域活用要 件に含める旨の意見が取りまとめられました。この意見を踏まえて、具体的な要件をFIT制度の事業 計画策定ガイドラインで定めます。地域一体型の地域活用要件のうち、熱電併給設備については、再エネ主力化小委員会からの要請を踏 まえて、調達価格等算定委員会で議論がなされ、災害時(停電時)における当該再エネ発電設備で産 出された熱の活用が、地方自治体の防災計画等に位置付けられていることを地域一体型の地域活用要件に含める旨の意見が取りまとめられました。この意見を踏まえて、具体的な要件をFIT制度の事業計画策定ガイドラインで定めます。

【WWFジャパンの提出意見2】

10ページ9-12行:「バイオマス発電の燃料の持続可能性については、総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 シンエネルギー小委員会 バイオマス持続可能性ワーキンググループにおいて、その確認方法の検討がされてきているところであるが、ライフサイクルGHG排出量の論点も含め、検討を継続することが重要である」に対して
①GHG排出量は重要な論点であり、WGにおける検討に賛同する。ただし、産地別のデフォルト値とライフサイクルGHG計算方法を示し、事業者に評価を義務付けるべきと考える。②そもそも燃料の持続可能性に関する基準が現状存在しないことが課題であるため、EU再生可能エネルギー指令(EURED II)において規定されているような生物多様性や土地利用変化に関する基準を参考とし、所管官庁として規定すべきと考える。

【2に対するエネ庁の回答】

バイオマス発電のライフサイクルGHG排出量については、栽培を行う土地の状況、輸送ルート及び加 工方法等により様々であり、また排出量の算定方法には様々な手法があり、確立されたものがないため、政府として一律に個別確認を行うことは、現時点では現実的ではないと認識しています。一方で、2019年11月に取りまとめられたバイオマス持続可能性確保WGの中間整理において、世界的に求められる持続可能性の項目及び水準は、日々進歩を続けており、社会情勢の変化に応じて、普段に見 直されるべきものとされています。こうした中で、本中間整理にも記載されているとおり、再エネ主力化小委員会での議論では、委員から、「内外無差別の原則に基づきつつ、例えば、ライフサイクルGHG排出量の確認を行うことにより、結果として、レジリエンスの強化等につながるのではないか」との意見がありました。こうした 点を踏まえ、ライフサイクルGHG排出量の専門的・技術的な検討を継続していきます。

【WWFジャパンの提出意見3】

10ページ10-20行:「小規模地熱発電・小水力発電・バイオマス発電は、FIT制度開始以降も、導入スピードは緩やかであり、発電コストの低減が進んでいない・・・」に対して
他の再生可能エネルギーと異なり、燃料の調達・購入が必須となるバイオマス発電は、コスト低減にはそもそも向かないのではないか。したがって、バイオマス発電については他の発電とは分けて検討すべきである。

【3に対するエネ庁の回答】

バイオマス発電については、FIT制度開始以降も、導入スピードは緩やかであり、発電コストの低減が進んでいない点は、小規模地熱発電・小水力発電と同様と考えています。バイオマス発電は発電コストに占める燃料費の割合が大きく、コスト低減がより難しい構造にあることは事実ですが、今後燃料費も含めた発電コストの低減を進め、中長期的な自立化に向けて取り組んでいきます。一方で、御指摘のとおり、バイオマス発電は発電時に燃料を必要とし、燃料の長距離の輸送が可能であるため、地域からのインプットが論点となると考えています。現在FIT認定を受けているバイオマス発電の中には、発電所が立地する都道府県・隣接都道府県の範囲外といった遠方から燃料調達しているものが多く見られます。発電コスト全体の相当部分を燃料の 運搬コストが占めている現状を踏まえれば、輸送距離の短縮によるコスト削減が重要です。一方、具体的な要件を設定する場合には、内外無差別の原則(内国民待遇義務)を含む国際的な通商取引・投資のルールに基づく必要があります。例えば、使用できるバイオマス燃料を発電所立地地点から一定距離の範囲内で産出されたものに限定した場合、その要件によっては上記の内外無差別のルールに抵触する可能性が生じ得ることから、慎重な検討を行う必要があります。他方で、本中間整理にも記載されているとおり、再エネ主力化小委員会での議論では、委員から、「内外無差別の原則に基づきつつ、例えば、ライフサイクルGHG排出量の確認を行うことにより、結 果として、レジリエンスの強化等につながるのではないか」との意見がありました。こうした点を踏まえ、ライフサイクルGHG排出量の専門的・技術的な検討を継続していきます。

事業計画策定ガイドライン改正案に関する意見公募(案件番号:620220002)

公示日:2020年2月17日
事業計画策定ガイドライン(バイオマス発電)改正案 WWFジャパンの提出意見と資源エネルギー庁の回答

【WWFジャパンの提出意見1】

持続可能性≠合法性なので、持続可能性の基準別途設定
「総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会新エネルギー小委員会バイオマス持続可能性ワーキンググループ(WG)」の設置は歓迎すべきことだが、「持続可能性」という言葉には国際的に共通した定義がないからこそ、日本として持続可能性の基準を別途設定しておくことが重要である。WG中間整理報告書にあるような「FIT 制度の継続性の観点から、既に持続可能性の確認に足るものとして認められているパーム油認証(RSPO 認証)を必要な項目・水準のベースとする。」ことは、本末転倒であり、まず持続可能性基準を策定してから、それを満たすツール(認証制度)を導入すべきである。

【1に対するエネ庁の回答】

本ガイドラインにおける「持続可能性(合法性)」との記載は、従前より、持続可能性が合法性を含むとの考え方に基づき記載して いるものですが、いただいた御意見は今後の政策立案の参考とさせていただきます。
御指摘の点については、バイオマス持続可能性ワーキンググループにおいて、専門的・技術的な検討が行われ、「FIT制度の継続性の観点から、既に持続可能性の確認に足るものとして認められているパーム油認証(RSPO認証)を必要な項目・水準のベースとする」との中間整理が取りまとめられました。今般の取扱いは、この中間整理を踏まえたものです。

【WWFジャパンの提出意見2】

GHGの削減目標設定について(アカウンタビリティの強化)
FiT制度による電力の買取は、再エネ利用促進という重要な目的のために賦課金を活用する仕組みである。国民負担を強いるものである以上、その資金用途と有効性の観点からアカウンタビリティが求められるため、資源エネルギー庁として化石燃料比でのGHG削減目標を設定すべきである。また、発電事業者に対しては、バイオマス発電に使用される燃料が、化石燃料比でどの程度のGHG削減効果があるのか、評価を義務付け、国民に公開させるべきである。

【2に対するエネ庁の回答】確認できず

【WWFジャパンの提出意見3】

既存用途との競合について
既存用途との競合については確認を行い、競合がないという根拠を開示することを事業者に義務付けるべきである。事業者による自主確認・自己申告では不十分であり、RSBなどの認証制度を活用する、あるいは、第3者による確認を義務付ける必要がある。

【3に対するエネ庁の回答】

既存用途との競合について、2019年度の調達価格等算定委員会では、新規燃料の食料競合の観点について検討を行い、「食料競合については、本委員会とは別の場において専門的・技術的な検討を行った上で、その判断のための基準を策定し、当該基準に照らして、食料競合への懸念が認められる燃料については、そのおそれがないことが確認されるまでの間は、FIT 制度の対象としない」との意見が取りまとめられました。今後、この意見を尊重して検討を進める考えです。その上で、現時点では食料競合の判断のための基準が存在しないことから、本ガイドラインにおいては、従前のとおり、再エネ発電事業計画が既存用途との関係で与える影響を最小限にするように努めること等を求めることとしています。

【WWFジャパンの提出意見4】

主産物と副産物の考え方について
7ページ11-12行目「主産物と副産物については、当該燃料より付加価値の高い製品が産出されないものを副産物、それ以外を主産物と定義する」という文言が不十分且つ曖昧である。持続可能性ワーキング・グループにおいて、主産物・副産物の定義について審議するとともに、想定されるすべての原料について検討したうえで主・副産物として分類すること。また、原料の経済価値や取引量などが流動的であるため、分類については毎年見直しを行うこと。

【4に対するエネ庁の回答】

農産物の収穫に伴って生じるバイオマスに関する持続可能性については、バイオマス持続可能性ワーキンググループにおいて、専門的・技術的な検討が行われ、「農産物の収穫に伴って生じるバイオマス燃料に関する持続可能性基準の適用について、個々の燃料ごとに確認方法を設定する場合、新たな燃料や加工方式等に迅速に対応することが困難となる。・・・一定の類型に応じて、持続可能性として求める項目や水準を設定することが適当である。具体的には、当該燃料より付加価値の高い製品が産出されないものを主産物、それ以外を副産物と定義する。」との中間整理が取りまとめられました。今般の取扱いは、この中間整理を踏まえたものです。また、今後の見直しについては、同ワーキンググループにおいて、「引き続き関係者による取組を注視するとともに、5年を目途に、持続可能性基準の見直しを検討することとする」との中間整理が取りまとめられました。今後、この中間整理を踏まえて検討を進める考えです。

【WWFジャパンの提出意見5】

燃料の持続可能性を担保する認証について
木質バイオマスについては、P5-6において森林認証制度やCoC認証制度等における認証が必要とされ、林野庁の「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」を参照することとしているが、これら認証やガイドラインはマテリアルとして利用される木材を想定しており、燃料用途を想定していない。よって、GHG削減効果や既存用途との競合による影響を含め、燃料としての持続可能性を担保するためにこれら認証は不十分である。バイオマス燃料に特化した認証や、国際的に認知されたGHG測定に関する方法論と組み合わせることが必要である。
木質バイオマスと同様に、P6においてアブラヤシ由来の原料においても同様であり、RSPOはマテリアル利用を想定した認証制度であるため、燃料としての持続可能性を担保するには、特にGHG面でRSPOでは不足している。

【5に対するエネ庁の回答】

御指摘の「現在の第三者認証や林野庁のガイドラインは、本来燃料用途を想定したものではなく」の意味するところが必ずしも明らかではありませんが、FIT制度の持続可能性の確認に係る第三者認証や林野庁のガイドラインで説明されている証明方法により、燃料用途の持続可能性の確認が可能であるものと承知しています。

【WWFジャパンの提出意見6】

新規燃料について(食料競合、GHGなど)
新規燃料を導入する際には、当該新規燃料が環境社会面で負の影響をもたらさず、十分なGHG削減効果があり、既存用途との競合による負の影響がないかどうか、また、新規燃料として導入することが適切かどうか、持続可能性ワーキング・グループにおいて審議する必要がある。
P9留意事項において、新規認定の対象となり得る主産物としてパーム油が挙げられているが、ライフサイクルでのGHG排出量が化石燃料と比べても大きくなる可能性が指摘されており、特にRSPOでは完全に担保できていない現状がある。また、燃料用途によって需要がより増えることにより、更なる農園開発に繋がり得るため、森林減少がより拡大するリスクがある。従ってパーム油の新規認定は認められるべきではない。

【6に対するエネ庁の回答】確認できず

【WWFジャパンの提出意見7】

3ページ第1節3.④(3)に「…発電所で使用した認証燃料の量及びその認証燃料固有の識別番号について…」とあるが、この認証識別番号とは何を指すか明示すべきである。もしこの「固有の識別番号」が、認証機関等による個別のID等なのであれば、それを公開することにどんな意味があるのか説明いただきたい。

【7に対するエネ庁の回答】

情報公開については、バイオマス持続可能性ワーキンググループにおいて、専門的・技術的な検討が行われ、使用しているバイオマス燃料の持続可能性を担保している第三者認証スキームの名称及び発電所で使用した認証燃料の量及びその認証燃料固有の識別番号について、「発電事業者は、持続可能性を確保していることの透明性の担保の観点から、・・・ウェブサイト等で情報公開すること」との意見が取りまとめられました。今回の取扱いは、この意見を踏まえたものです。御指摘の認証識別番号は、第三者認証制度に基づき、燃料調達事業者ごと及び取引ごとに発行された識別番号を指すものです。また、それを公開する趣旨は、サプライチェーン上の認証燃料の分別管理を徹底し、かつ透明性を担保することを発電事業者に求めるためです。

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